Scroll

表彰事業

2023年度表彰企業のご紹介

受賞企業
株式会社関ケ原製作所 / ヒメジ理化株式会社
河北ライティングソリューションズ株式会社 / アシザワ・ファインテック株式会社 / 株式会社メトロール / Jマテ.カッパープロダクツ株式会社 / 株式会社大野ナイフ製作所 / フジトランスポート株式会社 / 株式会社北海鉄工所 / 株式会社総合開発 / 株式会社アステック入江
株式会社アデリー / 大和板紙株式会社 / 株式会社ユニソク / リハプライム株式会社
コネクテッドロボティクス株式会社 / ペットリファインテクノロジー株式会社
株式会社関ケ原製作所 / ヒメジ理化株式会社
河北ライティングソリューションズ株式会社 / アシザワ・ファインテック株式会社 / 株式会社メトロール / Jマテ.カッパープロダクツ株式会社 / 株式会社大野ナイフ製作所 / フジトランスポート株式会社 / 株式会社北海鉄工所 / 株式会社総合開発 / 株式会社アステック入江
株式会社アデリー / 大和板紙株式会社 / 株式会社ユニソク / リハプライム株式会社
コネクテッドロボティクス株式会社 / ペットリファインテクノロジー株式会社
グランプリ
株式会社関ケ原製作所
代表者矢橋 英明
所在地岐阜県 不破郡関ケ原町2067番地
事業はん用機械器具製造
設立1946年11月
資本金24,700万円
年商248億円(2023年5月期)
従業員393名
 1946年国鉄の軌道用分岐器製造で創業。船舶用クレーン、軸受製品、油圧シリンダ、トンネル掘削機と事業領域を拡大し順調に発展する。
 しかし73年のオイルショック時の造船不況の煽りを受け主要顧客が倒産するなど業績が急速に悪化。已む無く人員整理で危機を脱するも、この経験から社員を犠牲にする経営は二度としないと固く決意するとともに社員の経営参画意識を高め、その後2度の経営危機も人員整理なしに乗り越え、事業を発展させてきた。
 当社は「工業製品の宮大工」を標榜し、高付加価値の「大型」「超高精度」「一品物」を強みに大手では手掛けない、中小では難しいニッチ領域で多くのニッチトップ製品を供給している。中でも小松製作所マイニング機種向け大型油圧シリンダを全世界へ供給するほか、救命艇ダビットクレーンや大型石製マシンベースなど7つの事業分野それぞれでトップ製品を有する。
 これら当社の優位性を支えるのは溶接、組立、工作機械オペレーションなど従業員の優れた技能・技術であり、仕組み・施設も含めて「人づくり」への情熱は極めて熱い。 また敷地内にアート作品を配し文化エリアとして開放。県が推進する古戦場グランドデザインと連携するなど地域振興への貢献度も高い。
 有力なニッチトップ製品群とそれを支える人材も育成し、今後の更なる発展が期待できる。


ヒメジ理化株式会社
代表者 充
所在地兵庫県 姫路市夢前町杉之内17
事業半導体製造プロセス向け石英ガラス製品、各種産業用ランプの製造販売
設立1968年5月
資本金6,000万円
年商122億円(2022年12月期)
従業員557名
 1965年創業、大手照明メーカーの下請けとして石英バルブ製造を手掛け、2000年以降はプロジェクターランプバルブや薄型テレビのバックライト用治具類を手掛け事業基盤を形成する。
 東日本大震災以降の光源の急速なLED化で業績が低迷し窮地に陥る中、半導体製造プロセス向け石英ガラス製品への転換と下請け脱却を決断。人材育成が鍵を握るハンドメイド火加工主体の「成膜」「ウェット洗浄」装置向けの石英治具に特化する決断をし、東京エレクロトンの認定を取得し成長軌道に乗る。
 16年現社長就任後は、若手役員や女性社長登用、同業社等のM&A(8社)など経営刷新と規模拡大に注力。買収先の社員を大切にすることから、「売却するならヒメジ理化へ」との声も多い。生産拠点は兵庫と福島に集中し、多品種少量受注生産ながら納期を短くすると共に、BCP対策も講じている。
 社是「創意と工夫で進化し誠実と感謝を信条とし、健全な経営で社会に貢献する」に強い拘りをもった経営を実践し、製品づくりを支える人材が育つ、風通しの良い組織風土が形成されている。
 脱炭素や雇用創出に貢献するグリーン石英ガラス工場新設を福島で予定しており、一層の業容拡大を図ると共に、医療器具など新分野にも挑戦しており、今後の更なる発展が期待できる。


優秀企業賞
河北ライティングソリューションズ株式会社
代表者今野 康正
所在地宮城県 石巻市小船越字舟形147
事業医療機器/半導体製造装置用等、特殊光源の開発、製造と販売
設立2006年8月
資本金1億円
年商58億円(2022年12月期)
従業員165名
 1927年映写用白熱ランプ製造で創業。68年照明大手GTEシルバニア社と資本提携しハロゲンランプ製造技術を磨き、OHP用光源などで事業基盤を築く。
 90年代に入り産業機器向けを指向するが、GTE社照明部門をフィリップス社が買収。製品の住み分けから開発に制限があるもどかしい状況が続く中、06年MEBOを決断。
 独立後は産業機器に注力し、血液分析装置用光源事業を拡大すると共に、半導体製造装置用熱源事業にも進出。現在の当社を支える2事業を確立する。
 熱源ランプは半導体製造装置世界トップのアプライドマテリアルズ社の成膜装置の複数機種でトップサプライヤとなり、光源ランプは生化学分析装置国内トップクラス2社へ全量供給。ベトナム工場でBCPにも対応している。また設備投資に年2億円、研究開発に1億円投じると共に、光によるウイルス不活性化や農業での害虫防除などの新事業創出に取組むなど成長投資にも積極的。
 被災地石巻での雇用創出や女性活躍(正社員の6割)など地域社会への貢献度も高い。
 約1世紀に亘るランプ製造のノウハウを活かした高い技術を有しニッチ分野で発展。今後の成長に繋がる投資にも積極的で、今後の更なる発展が期待できる。


アシザワ・ファインテック株式会社
代表者加藤 厚宏
所在地千葉県 習志野市茜浜1-4-2
事業産業用粉体機器の開発・製作・メンテナンス、受託加工
設立2002年12月
資本金9,000万円
年商31億円(2023年3月期)
従業員159名
 1903年鉄工所創業、ボイラーの釜や蒸気機関車など製作する。80年代からビーズミル(微粉砕機)の製造を始めるが、後発かつ寿命が長い機械で更新需要も大きくなく参入当初は大苦戦。
 本業の赤字を不動産賃貸収入で凌ぐ時期が続く中、2000年に現会長が社長就任。退路を断ちメーカーとして独り立ちを決断、一旦全従業員を解雇したうえで新会社立上げ再雇用して再スタートを切る。生き残るために「より小さく」とナノテクに特化して研究開発を進め、05年に「マイルド分散」技術を開発。以降、ナノレベルに微細化できる数少ない企業として発展中。
 ビーズミルはビーズの力で粒子を細かくする微粉砕・分散機。乾式/湿式に大別されるが液体中で試料を微細化する湿式ビーズミルは当社の代名詞となっている。用途に応じナノレベルまで微細化が可能で、ビーズ径の1000分の1までの微細化技術を有する。スマホ用積層コンデンサ、EVバッテリー、食品・化粧品、印刷インクと、様々な分野で世界のトップ企業がエンドユーザーとして利用中。
 次の成長に向け、微粒子技術研究所や生産技術研究所で基礎研究や先端技術開発に取組むと共に、本年オーナー家外から生抜き社長を抜擢するなど、技術・経営両面で体制を整える。
 ナノ社会に必要不可欠な会社として、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社メトロール
代表者松橋 卓司
所在地東京都 立川市高松町1-100 立飛リアルエステート25号棟 5階
事業工場の自動化に貢献する「高精度工業用センサ」の、開発・製造・販売
設立1976年6月
資本金4,000万円
年商22億円(2023年1月期)
従業員111名
 1976年前職でメカトロ・防水技術、測定器等の精度の高いモノづくり経験のある社長実父が創業。トヨタ向け独自構造のシグナルゲージ開発など、技術の高さは示すも量が出ず伸び悩む。
 事業拡大の転機が83年の「CNC旋盤用ツールセッタ」。刃先位置を精密に確認できるセンサで水や油に強く耐久性が高いと共にコストが低いことから日本中の工作機メーカーに採用され、累積赤字を一掃する大ヒット商品に。
 その後は、日本製工作機が世界中に輸出される中で、直接エンドユーザーから交換品の発注がかかるようになると共にECサイト開設も後押しし、現在では、工作機メーカーは世界74ヵ国200社以上、エンドユーザー含めると通算7千社以上と顧客基盤が大変厚い「精密位置決めセンサ」のグローバルニッチトップに発展。
 1万点の部品から1千点以上の製品を作るが、コア部品は自動機で大量生産し受注時にパートが一つ一つセル生産。多品種少量受注生産・短納期を確立し、高効率な生産体制となっている。
 また大企業OB技術者と若手がチームを組み、それぞれの得意技術を持ち寄り画期的な新製品を生み出すなど、イノベーション創出に向けた取組みも積極的に行う。
 「他社のモノマネはしない」をモットーに、独自の製品・技術を有する企業として、今後の更なる発展が期待できる。


Jマテ.カッパープロダクツ株式会社
代表者山本 耕治
所在地新潟県 上越市大潟区土底浜2024-1
事業非鉄金属製品製造
設立2005年4月
資本金1億円
年商178億円(2022年12月期)
従業員314名
 1950年鉄くず回収業で創業後、回収銅スクラップによる銅合金製造も始める。83年取引先から設備を買受け、社運を賭けた大型投資と当社の前身となる新会社立上げにより、銅合金連続鋳造品の製造を開始。特に水道部品向けが「巣が少ない良品」として砂型鋳物に取って代わり大ヒットし、当社飛躍の転機となる。
 95年にはNC加工機を大量導入した加工工場を新設し水道部品加工を、99年にはオイレスブッシュの商権買取により産業機械部品加工を本格稼働し現在の主力事業の基盤を確立。 原材料はほぼリサイクル。打ち抜きくずや廃ラジエーター、切粉、砲金などの銅スクラップを溶解・鋳造し金属加工まで一気通貫で製品化できる日本でも数少ない企業。特に水道部品の連続鋳造品では日本トップクラスのシェア。
 2022年情報システム会社勤務経験のある現社が就任し「DX推進元年」と位置づけ、製造部門・間接部門ともにIoT活用、デジタル化・ペーパーレス化等の業務効率化に取組み、上越地域で初の経産省DX認定を取得するなど、経営基盤の強化を進めている。
 上越市で廃棄物収集やリサイクルなど地域と暮らしに密着した事業を幅広く展開するJマテ.グループの中核企業。循環型社会の担い手として持続可能な社会の実現に貢献度も高く、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社大野ナイフ製作所
代表者大野 武
所在地岐阜県 関市下有知4164-1
事業家庭用・業務用刃物の製造及び卸販売
設立1953年6月
資本金2,000万円
年商28億円(2023年4月期)
従業員126名
 1916年輸出向けポケットナイフの製造で創業。その後、包丁メーカーとして関市で事業を拡大。
 90年代に入り安価な中国製包丁の大量流入や、高齢化・後継者問題で分業制である所の関連事業者が次々と廃業し、生産工程の維持が困難に。
 刃物製造に必要な100以上の全生産工程を完全内製化し一貫生産体制構築と機械化に取組む。「薄利多売」ではなく「超高級包丁を富裕層へ」の戦略のもと、2000年貝印から「旬」ブランドの高級包丁を欧米で販売開始。一流料理人や富裕層を中心に人気となり、包丁業界で最高峰の「Kitchen Knife of the Year」を10年連続受賞、累計1,000万丁の大ヒット商品に。売上の9割は海外で日本では馴染みが薄いが、海外では高級包丁の世界3大ブランドと自負する。
 ブランドを保つには供給力と品質維持が必要と考え、徹底的な機械化を図り、月産6万本を達成。機械に代替できる工程を見極め、職人は高品質に拘った手作業に注力でき、機械と職人技を上手く融合させた生産体制を構築した。また職人技をデータ化し技の継承にも取組む。更にIoT推進、見える化により、生産性向上、残業時間削減による働き方改革にも成功している。
 刃物を作り続けて107年。廃業危機の中、海外向け高級包丁ブランドの確立と内製化による安定供給体制、高品質維持の構築で復活を遂げた企業。今後の更なる発展が期待できる。


フジトランスポート株式会社
代表者松岡 弘晃
所在地奈良県 北之庄町723-13
事業一般貨物自動車運送事業、第一種貨物利用運送事業
設立1978年4月
資本金3,000万円
年商390億円(2023年6月期)
従業員2,340名
 1978年配送業で創業。85年県内配送から撤退し、中・長距離輸送にシフト。
 2001年現社長が就任以降は、長距離幹線輸送に特化し全国の拠点展開を開始。自社整備や航空貨物輸送への本格参入など体制面の強化も進める。さらに輸送効率向上にも取組み、10年に日野自動車と共同で積載効率と安全性を高めた「スーパーマルチトラック」を、14年にはICTを活用した運行・動態管理システム「MALL」を開発。ISO39001認証取得やIT点呼システム導入など業務標準化も推進し、23年5月時点で青森・鹿児島間116拠点、トラック2,500台超を有する一大物流グループとして大きく発展。売上は約20年で15億円からグループで500億円規模に。
 2024年4月からの働き方改革の実現に向け、ドライバーの労働時間管理が一層厳しくなる中、中継輸送や荷役分離など「運び方改革」を推進すると共に、ドライバーのキャリア形成や処遇改善にも着意を持って取組み、業界の人員不足が懸念される中で、盤石な体制を築いている。
 また、17年NTTドコモと共同開発した「DoCoMAP」は車両動態・運行管理に同業約450社が利用しており、業界全体のインフラ整備・業務効率化への貢献度も高い。
 他社に先駆けて長距離幹線輸送に不可欠な設備・陣容を築き上げており、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社北海鉄工所
代表者林 孝彦
所在地大阪府 岸和田市臨海町20-18
事業鏡板、鉄道車両台車部品、モニュメント等景観製品製造他
設立1955年4月
資本金28,600万円
年商47億円(2023年2月期)
従業員151名
 1946年造船関連の製缶業で創業。62年に3年の歳月と年商を超える3億円を投じ、世界でも類を見ない6000トン大型複動プレス機を完成、鏡板の冷間プレス製造を始める。
 旧川崎製鉄の協力を仰ぎ同製法でも割れない鋼板を共同開発するなど、技術的には優れていたが、当時冷間プレスへの信頼度は低く、しばらく低迷の時期が続く。
 転機が68年。米鉄道タンク車メーカー大手のユニオンタンクカーが当社鏡板を大量採用したことをきっかけに日本でも爆発的に売れるように。これまで550万枚超の出荷をすると共に、現在では国内シェア5割の鏡板のリーディング企業に成長している。
 鏡板はタンク等の端面に使用される半楕円・半球形の部材の総称で火力発電所ボイラーや各種プラント、食品加工、薬品精製等の様々な産業に不可欠な製品。当社はあらゆる材質・用途に適応した多様な鏡面加工技術を開発。過去に彗星探索機にも採用されるなど国家プロジェクト的なものができるのは当社のみと自負する。
 そのほか、国内シェア9割の鉄道車両台車枠や、実物大「鉄人28号」モニュメントなどの景観事業、地ビール事業も手掛ける。
 技術伝承や顧客・社員の満足度向上にも積極的に取組んでおり、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社総合開発
代表者大久保 健吾
所在地香川県 高松市丸の内11‐10
事業コンクリート二次製品の製造販売、リネンサプライ業他
設立1956年6月
資本金8,500万円
年商73億円(2023年3月期)
従業員290名
 1956年、塩田跡地の土地開発活用を担い創業。その後、セメント販売、コンクリ製品の製造や法面緑化、崩落防止工事、冷蔵倉庫など事業の幅を拡げる。更に地元の要請でリネンサプライ事業に参入するなど多角化を推進。
 事業領域の拡大や企業買収は「社会に必要とされるかどうか」が判断軸で、現在では当社中心にグループ7社の合算売上は約150億円にまで成長。
 主力の河川護岸や擁壁用コンクリ製品は約650社に700種類の製品を供給。商品開発力に優れ7割が自社製品でNETISに40近くを登録する。業界に先駆け導入した、水分が極端に少なく強度・耐久性に優れるゼロスランプコンクリと振動・圧縮で即時脱型できるバイコン製法で大量生産・短納期を実現。またアミノ酸を徐々に放出し藻類を繁茂させるブロック(特許技術)や隙間をつくり動物の住処とするなど自然と調和する製品も多い。コンクリ製品売上は四国2位。
 リネン事業は衛生面の質を高める設備投資と徹底した検査・管理体制でトータルリネンサービスを提供。後発ながら四国3位にまで成長。
 経営理念「社会から必要とされる企業へ」に基づき、「社会に必要かどうか」を判断軸に新事業に積極的に挑戦し、多角的事業でリスク分散を図り、変化し続ける会社として、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社アステック入江
代表者入江 伸一郎
所在地福岡県 北九州市八幡東区西本町3-1-1
事業鉄事業、鉄関連事業(環境リサイクル事業等)
設立1957年2月
資本金1億円
年商124億円(2023年7月期)
従業員755名
 創業1910年。官営八幡製鉄所の荷役から始まり、溶銑予備処理やスラグ処理、製品検査や加工など次第に請負作業の幅を拡げて事業基盤を形成。
 80年度後半から鉄冷えとなる中、集塵ダストから回収した鉄粉を再利用できないか研究を重ね、プリント基板等のエッチング工程後に廃棄されていた塩化鉄液のリサイクルに辿り着く。基板上に回路を作る過程で溶かされた不要な銅やニッケルを鉄粉を使って凝集・回収し液は再生するもので、国内で初めて事業化に成功。さらに再生した塩化鉄液を利用し廃電子基板から金などを回収する都市鉱山事業も始める。都市鉱山リサイクルセンター響工場は北九州市モデル工場として年間1000人以上が視察・社会科見学に訪れており、循環型社会の普及啓発にも貢献度が高い。
 100年以上の長きに亘り日本製鉄と共に歩み続け、主要協力会社26社の中で当社のみが鉄づくりの中核工程を八幡と大分の2工場で受託するなど同社からの信頼は厚い。また事業の多角化も順調に進展し、特に環境・リサイクル関連の特許技術や独自装置開発など、当社ならではの新領域を築いている。
 創業来の鉄事業を岩盤に、刻々変化する経営環境に柔軟に対応しサステナブルな社会の形成に貢献。今後の更なる発展が期待できる。


特別賞
株式会社アデリー
代表者小野 典子
所在地山口県 柳井市柳井11171-1
事業ギフトの総合プロデュース
設立1977年3月
資本金1億円
年商71億円(2023年2月期)
従業員386名
 1972年創業。ギフト問屋から仕入れをした商品を販売する進物店から始まり、実績を積み卸売にも参入するなど順調に成長。
 2000年代に入り冠婚葬祭等のフォーマルギフト市場が縮小傾向の中、カジュアルアイテムに方針転換。母の日や誕生日プレゼントなど大手がやりたがらない多品種少量発注でのスイーツギフトに注力する。一流ホテルや有名ブランドとコラボし、レシピも含めて企画開発から行うカジュアルスイーツが人気で、12年には果物の市場仕入を始めギフト&カフェも出店。「ホシフルーツ」ブランドで洋菓子の製造販売も行う。
 小売・卸売・製造とギフトの川下から川上までを手掛け各専門機能の大半を内製化し、顧客ニーズに沿ったワンストップサービスを提供する独自のビジネスモデルを構築。「冠婚葬祭ギフト市場はギフト問屋が作ったが、カジュアルギフト市場を創出したのは当社」と自負する。
 経営理念は「人が真ん中」と社員を大切にする経営を実践。UIターン多くまた女性活躍企業としても知られている。倒産した市内の当時西日本最大級のバラ園を引継ぎシニア人材活躍の場としたり、高校女子バドミントン大会を主催するなど地域活性化への貢献度は極めて高い。
 地域と共生する、「ギフトの総合プロデュースカンパニー」として、今後の更なる発展が期待できる。


大和板紙株式会社
代表者北村 貴則
所在地大阪府 柏原市河原町5-32
事業パルプ製造業及び紙加工業
設立1952年3月
資本金5,000万円
年商39億円(2023年3月期)
従業員107名
 1952年創業より古紙を原料に板紙を製造。
 産業古紙の中でも、化粧品箱等のフィルム付古紙や牛乳パック等のラミネート付古紙、酒パック等のアルミ付古紙など、紙繊維の質は高いが処理が難しく他社が敬遠する「難処理古紙」のリサイクルに強みを有する。2008年にはプラバシーマークを取得し官公庁の機密文書類など古紙調達ルートも拡大。
 製品面では11年板紙製造で日本初の森林利用保護の世界基準FSC認証を取得し、商品の8割を認証紙とするなど他社と差別化。またパルプ以外の素材を原料に混ぜる混抄紙製造技術や、約2500人のデザイナー会員組織による商品開発力を有し、再生紙ながら高付加価値の製品を生み出している。
 大手珈琲チェーンの使用済み牛乳パックの再生紙化や全国各地の特色を活かす素材を混ぜた混抄紙を土産用パッケージや包装紙に利用する取組み、広島の折り鶴の再生紙化など、企業や行政機関とのコラボレーションによるサスティナブルで地域活性化に繋がる事業が増加中。
 難処理古紙を始めとした原材料と混抄紙など特徴ある商品群及び小ロット・多品種に対応する設備で独自性を発揮。「環境の押売り」はせず、商品の価値創造が結果として環境負荷低減にもつながるとの思いで業容拡大を続けており、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社ユニソク
代表者宮武 優
所在地大阪府 枚方市春日野2-4-3
事業走査型プローブ顕微鏡および高速分光装置を中心とした研究者向け計測機器の製造・販売
設立1974年11月
資本金5,000万円
年商25億円(2023年6月期)
従業員46名
 1974年、ユニークな測定機器の提供を目指し分光計測器製造で創業。86年、日本初の走査型トンネル顕微鏡(STM)を上市。STMは物質表面の原子レベルの電子状態や構造等の観測装置で主に基礎科学研究で利用される。温度が低いほど観測精度が高く、当社は「強磁場・極低温」を極める戦略を推進。
 2012年には世界最低温(ほぼ絶対零度の-273.11℃)で測定可能なSTM「USM1600」を開発。原子レベルの物性を明らかにした研究成果がネイチャーやサイエンスで発表されると絶大な宣伝効果となり、海外売上が10年で3倍の15億円に。世界トップ水準の研究者を顧客に最先端の情報やニーズに迅速にカスタマイズする好循環で低温STMの世界シェア6割、絶対零度に近い温度域では100%とニッチトップに成長。
 STM製品の発展だけではなく、17年には計測が難しいギャップ時間帯(1~100ナノ秒)の現象を捉える特許技術を搭載した過渡吸収分光システム「picoTAS」も開発。
 23年、国内基礎研究の裾野拡大のため研究資金や設備が十分でない研究者向けに社内に最先端の測定環境を整備したレンタル事業を開始。また液体ヘリウムのリサイクルシステムやヘリウムフリー装置の開発など省資源にも注力中。
 科学研究分野にて数々の研究成果に貢献した功績は大きく、今後も更なる発展が期待できる。


リハプライム株式会社
代表者小池 修
所在地埼玉県 さいたま市大宮区桜木町1-7-5ソニックシティビル26階
事業介護・医療関連事業等
設立2011年2月
資本金4,000万円
年商16億円(2023年1月期)
従業員265名
 2011年創業。元々大手スポーツクラブ役員だったが両親の介護に直面。介護施設を探すがなかなかシニアに敬意を持って接する施設がなく、一念発起して退職し「敬護」を経営理念に掲げたデイサービス「コンパスウォーク」を始める。
 最初からはうまく行かなかったが、思い切って2店舗、3店舗と増やすことで人員に余裕が生まれ、職員に理念が浸透すると共に利用者の満足度も向上し業績は上向きに。
 当社の特色は看護師や理学療法士、柔道整復師などの専門家が施設に常駐し、個別リハビリや介護マッサージを施すと共に訪問看護でも高度なリハビリサービスを提供。また、自身の親を念頭に、高齢者向け美容室と喫茶を併設した「茶の間」や家事や外食・墓参り付添い等も行う「娘息子代行サービス」など、「いま自分の親が必要としているサービスは何か」の観点で新サービスを生み出しており、他社が行う有料老人ホームや高齢者住宅等は行わず一線を画す。
 理念を共有するFCも増え、現在では全国に総事業所で170拠点を越えて出店している。また意欲ある社員が親の居住地で子会社として独立する「恩返し起業制度」も行う。人生の大先輩を敬って護る「敬護」の精神を経営理念に理念浸透部を設け様々な取組みを行い、シニアに真に必要なサービスは何かを問い続ける企業。今後の更なる発展が期待できる。


イノベーション事業化推進賞
コネクテッドロボティクス株式会社
代表者沢登 哲也
所在地東京都 小金井市梶野町5-4-1
事業食産業向けロボットサービスの研究開発および販売
設立2014年2月
資本金1億円
年商2億円(2023年1月期)
従業員49名
 2014年創業。社長自身の飲食業での勤務経験も踏まえ、食産業で働く人々をつらい労働から解放しいつでも美味しく健康な食を楽しめるようにしたいと食産業向けロボットサービスの研究開発に取組む。そば茹でやソフトクリーム、たこ焼きなどの飲食店向けロボットの開発で技術力を磨くと共に知名度を上げ、22年に業界初の惣菜盛付ロボット「Delibot」を開発。
 大手食品メーカーの大量生産工場では自動化が進んでいるが、当社のターゲットはスーパー等の中食・惣菜業界。多品種少量生産の日配品でポテサラやひじきなど不定形で自動化が難しい食材も多く、ひとが低温高温環境の中、長時間立ちながら単調に作業を行っている。
 当社は高度なロボット制御技術とディープラーニングを活用したセンシングと学習技術により汎用ロボットを知能化。起伏と重さを測定して柔軟・不定形な食材を「掴む・均す」複数作業をこなす。また数分の段取替えで様々な種類の食材にも対応。17の特許を保有し、稼働中のロボットのデータでAI学習を深めるなど先行メリットを享受し高度化も図りつつ、量産化に向けた体制構築が進展中。
 人手不足が深刻な飲食業界で「食産業をロボティクスで革新する」というミッションを実現。業界の近代化合理化に貢献する優れたイノベーションであり、今後の更なる発展が期待できる。


ペットリファインテクノロジー株式会社
代表者伊賀 大悟
所在地神奈川県 川崎市川崎区扇町12-2
事業ペットボトルのリサイクル及びリサイクル樹脂の製造
設立2008年10月
資本金33,000万円
年商53億円(2022年12月期)
従業員80名
 2004年ペットボトルのケミカルリサイクルにより当社前身の企業が創業、その後大手容器メーカーの子会社となるが、いずれも技術面・採算面の課題が解決できず、17年工場稼働停止。
 近年飲料ボトル等のリサイクル機運が世界的に高まる中、17年に廃棄物ではなく資源としてあらゆるものが循環する世界の実現を目指す当社の親会社であるJEPLAN傘下となり、ペットボトルの水平リサイクルを目指し稼働を再開。前身会社からの豊富なプラント操業実績と親会社の技術的知見を融合することで安定稼働させるためのノウハウを向上させたほか、メカニカルリサイクル工程で発生するPET残渣の原材料化でコストダウンを図りビジネスモデルの転換により製品である再生PET樹脂の付加価値を向上させて採算面の課題も解決。21年10月より工場はフル稼働状態となり世界で唯一ケミカルリサイクル技術を用いたペットボトルの水平リサイクルによる商用化を実現。多くの自治体と協定を締結し年間2万t以上の使用済ペットボトルを処理するなど、循環型社会実現への貢献度は極めて高い。
 技術的・商業的参入障壁は高く優れたイノベーションであり今後においてもライン増強等により工場の処理能力を向上させることで、再生PET樹脂の生産量を更に増加させていく見通しがある等、更なる発展が期待できる。



タイトルとURLをコピーしました