Scroll

表彰事業

2020年度表彰企業のご紹介

受賞企業
株式会社テクノア / 株式会社湯山製作所
産電工業株式会社 / 株式会社エステーリンク / 株式会社はくばく / エビス株式会社 / 小西化学工業株式会社 / 株式会社たねや / 株式会社アイグランホールディングス / 株式会社くまさんメディクス / 株式会社友桝飲料
コンチネンタル株式会社 / 株式会社サンシン / 株式会社筑水キャニコム / 株式会社南信精機製作所 / 藤井精工株式会社
株式会社テクノア / 株式会社湯山製作所
産電工業株式会社 / 株式会社エステーリンク / 株式会社はくばく / エビス株式会社 / 小西化学工業株式会社 / 株式会社たねや / 株式会社アイグランホールディングス / 株式会社くまさんメディクス / 株式会社友桝飲料
コンチネンタル株式会社 / 株式会社サンシン / 株式会社筑水キャニコム / 株式会社南信精機製作所 / 藤井精工株式会社
グランプリ
株式会社テクノア
代表者山﨑 耕治
所在地岐阜県 岐阜市本荘中ノ町8-8-1
事業業務用パッケージソフトウェア開発・販売、 システムインテグレーション
設立1985年10月
資本金7,280万円
年商42億円(2020年2月期)
従業員310名
 1981年ソフトウェアベンダー、システムインテグレーターとして創業。93年建築石材専用CADを初めてのパッケージソフトウェアとして発表。
 94年当社の代表的パッケージソフトウェアである生産管理システム「TECHS-S」を発売。当時、生産管理のパッケージソフトウェア化は難しいと言われていたが、中小企業に多い形態である個別受注生産型に特化した生産管理システムを開発。現場の使用に即した機能、使いやすい仕様のパッケージソフトウェアであることから、ブレイクスルーした。現在、全国3,800社以上へ導入。生産管理パッケージ部門で2017年より3年連続国内出荷本数No.1。
 その後99年繊維業向けデザインの3Dシミュレーションソフト、2001年医療機関向け健康診断業務システム、03年多品種少量型部品加工業向け生産管理システムなど開発。生産管理システムはシリーズ化している。
 中小企業の本来のニーズを的確に把握しマーケットインによる自社開発を推進、ニッチトップを狙ったビジネスモデルを展開し発展。企業経営的な専門性を備えた人材の育成、顧客に寄り添った伴走支援的な営業活動による顧客との強固な信頼関係の構築など他社との差別化を実現。中小製造業の生産性向上、デジタル化への貢献度大。今後の更なる発展が期待できる。

株式会社湯山製作所
代表者湯山 裕之
所在地大阪府 豊中市名神口1-4-30
事業調剤機器、設備・システムおよび滅菌器、電子 カルテシステムの開発・製造・販売
設立1967年11月
資本金9,000万円
年商315億円(2020年8月期)
従業員768名
 1964年創業。66年世界初スライド式自動分割分包機を開発。完全手作業であった粉薬の分包作業の自動化に成功。薬塵の中での作業環境の改善、薬剤師の負担の大幅な軽減を実現。73年自動で薬を均等に配分しながら分包するR円盤式分包機を開発し分包作業の完全自動化を実現。
 90年代からの「医薬分業」推進により当社製品は薬の処方の効率性・安全性の両立という観点から病院・薬局に広く受け入れられるようになり、調剤機器におけるデファクトスタンダードとなる。散薬、錠剤、水剤、注射薬等形状に応じた調剤機器・システムを次々と開発。研究開発費は毎年売上の5%前後を投下。国内シェア約45%とトップ。
 「何でも自社で作ろう」という企業文化が根付いており製造工程における樹脂成形、金属切削加工、溶接を内製化。分包紙も自社生産し、機器と消耗品の双方でビジネスモデルを展開。
 製販分離体制を取っており、販社のアフターサービス担当者、営業担当者約350名の情報を全社員がリアルタイムで共有できる体制を構築し、ユーザーの要望する製品を的確に供給。
 「調剤業務の自動化」という価値と市場を創出。パイオニアとしての意義は非常に大きい。薬剤師の対物作業の負担軽減による患者への対人業務参画を推進。高齢化社会における医療への貢献度も高く、今後の更なる発展が期待できる。

優秀企業賞
産電工業株式会社
代表者髙橋 昌勝
所在地宮城県 仙台市若林区荒井東2-13-1
事業電気設備工事業
設立1952年10月
資本金10,000万円
年商39億円(2019年9月期)
従業員159名
 東北地域の電気設備工事で事業基盤を築くも売上偏重で赤字が嵩み苦境に陥る中、2007年生え抜き技術者であった現社長が就任。若手登用、採算重視の元請け受注への拘り等経営を刷新。収益性の高いプラント関連に注力し電気設備の他、配電盤、制御システムの設計・施工等複合的受注に注力し短期で経営を再建。
 東日本大震災以降は多くの公共施設や上下水道設備の復旧・復興に寄与し信頼力を高め事業が安定する中、太陽光・風力・小水力発電等の自然エネルギー事業や産学官連携で防災・福祉関連商品の開発に着手。ICTを活用した街づくり事業(荒井東タウン)にも参画し電気設備工事や自社開発の監視カメラ付ソーラーLED街路灯の遠隔管理等、当社の技術が大きく貢献。
 現在は、中核の電気設備工事他、浄水場等プラントの電気・機械工事、計装・制御・IoTシステムを手掛ける、東北で数少ない総合エンジニアリングカンパニーに成長。複数の事業部門を有し、若手中心に地域の雇用促進に寄与。
 今後も単に箱モノ工事ではなく自然エネルギーやICT技術の活用による一層高度化した街づくり・タウンマネジメント事業等、未来に向けた公共工事を自らが提案し事業化する取組を展望。創業時の一般電気設備業から大きな変化を遂げ、東北地区のインフラ整備や創造に貢献する企業として今後の更なる発展が期待できる。

株式会社エステーリンク
代表者齋藤 隆範
所在地新潟県 燕市笈ケ島1365-1
事業精密板金加工、バリ取り機および集塵機等環境 関連機器の製造
設立1984年5月
資本金1,000万円
年商23億円(2020年2月期)
従業員87名
 1973年板金加工・溶接を主な事業として創業。当初農機具を生産。84年当社にとり大きな経営判断となる1億円の投資で新潟県内初となるレーザー加工機を導入。加工精度が上がることにより取扱い製品の幅が広がるとともに、燕三条地域の金属加工業向けに集塵機の製造を開始。板金加工メーカーから装置メーカーへと発展。その後、板金加工・溶接以外に切削加工、塗装、組立までの全ての生産工程を自社で完結させる。
 バリによる労働災害のリスクに注目し、2000年バリ取り機を内製化。改良を重ね、全国の同業者に取引展開。労働災害を無くすための品質基準が厳しくなっていく中、展示会出展により大手工作機メーカーにスペックインとして採用されるようになり、飛躍のきっかけとなる。当社の自動バリ取り機は研磨ブラシの駆動方式に技術的強みがあり付加価値大。自動バリ取り機を最大の事業とし事業の4本柱体制によりリスク分散されており、経営の安定が図られている。
 板金加工技術は当社にとり不可欠の基盤技術であり、創業当初より設備投資、技術開発、人材育成により技術の向上を図っている。
 燕三条地域の地場産業である板金加工メーカーとして創業、装置メーカーへ事業拡大。「楽しくより豊かな環境作り」を経営理念として様々な業種の労働環境改善に貢献。今後の更なる発展が期待できる。

株式会社はくばく
代表者長澤 重俊
所在地山梨県 中央市西花輪4629
事業大麦等の穀物関連製品(炊飯用大麦・雑穀、乾 麺、麦茶等)の製造販売
設立1941年4月
資本金9,800万円
年商207億円(2020年3月期)
従業員422名
 1941年創業の精麦を主業とする国内では稀有な企業。53年大麦を黒条線に沿って切断し磨いた「白麦米」を開発。「麦ごはんは貧しい食べ物」という印象を覆す新たな製品として消費者のニーズを掴み全国に普及。同社発展の礎となった。
 その後、「白麦米」を軸に、大麦製品以外の製粉や乾麺、麦茶等穀物製品のラインアップを拡大。70年代前後には販路を従来の米穀店中心から食品スーパーへシフト開始、穀物コーナーの棚割りを確保することで業容拡大。90年カルシウムを添加した「骨太家族」を発売。
 93年米の輸入自由化、流通の規制緩和が進みスーパーが伸びていく中、同社は価格ではなく価値で勝負するメーカーへ転換。99年より雑穀事業に参入、スーパーにおける米関連商品棚を充実させてきた。その後、2006年「十六穀ごはん」、12年「もち麦ごはん」と雑穀・大麦の健康機能に着目した商品を開発、大ヒットし、同社のブランド価値を上げた。精麦事業、雑穀事業ともに国内トップ企業に発展しており、圧倒的シェアを誇っている。
 消費者ニーズのいち早い把握、東京本社に市場戦略本部を設置しマーケティング戦略の構築、創業以来脈々と培ってきた知見とノウハウを生かした製品開発により大麦・雑穀市場を創出し国内トップ企業に発展。今後の更なる発展が期待できる。

エビス株式会社
代表者乾 正孝
所在地奈良県 大和郡山市西町321
事業歯ブラシ日用品およびプラスチック家庭用品の 製造・販売
設立1963年2月
資本金10,000万円
年商79億円(2020年5月期)
従業員310名
 1964年日用品卸売業と歯ブラシメーカー3社が合併し歯ブラシメーカーとなる。合併後、シナジー効果を発揮できない時期が長く続いていたが、事業継承を機に「卸売業から製造業に、そして価値創造業へ」をスローガンに経営改革を実施。経営理念の刷新、不採算事業からの撤退等を行い、歯ブラシ生産に資本を集中。
 11年「プレミアムケア歯ブラシ」を発売。オーラルケア市場の幅広ヘッド歯ブラシという新ジャンルを開拓。植毛の幅を広くすることにより使い心地の良さと効果的な歯垢除去効果を実現。上市後顧客のリピート率の高さ、口コミの広がりに加え、大手参入による市場活性化により歯ブラシ市場の約13%を占めるまでに拡大。幅広ヘッド市場での売り上げナンバーワンとなる。
 生産技術部門を強化してFAシステムを構築。多品種変量生産可能な自動化工場を稼働させ、200類以上の歯ブラシを40万本/日生産可能に。工程間の自動運搬台車による仕掛品の搬送、自動立体倉庫を配置し効率的な生産を実現。また、歯ブラシのネック部にロットナンバーを印字し、トレサビリティも構築。
 オーラルケア市場の幅広ヘッド歯ブラシのトップメーカーとして市場を牽引するとともに、歯ブラシ業界を活性化。幅広歯ブラシ市場は年々拡大し、かつPBブランドの歯ブラシも安定的に供給、今後の更なる発展が期待できる。

小西化学工業株式会社
代表者小西 弘矩
所在地和歌山県 和歌山市小雑賀3-4-77
事業機能性化学品の開発・製造・販売および受託製造
設立1962年9月
資本金1,000万円
年商53億円(2020年3月期)
従業員116名
 1952年創業。スルホン化技術を軸に、世界に認められる製品開発力を持つ素材メーカー。
 68年繊維の染色助剤原料としてDHDPS(ジヒドロキシジフェニルスルホン)を生産開始。72年世界に先駆けて高純度DHDPSの工業生産化に成功し、イーストマン・コダック社に黄色の色素形成材原料として提供。83年当時世界最大級の化学メーカーであったICI社(英国)にDHDPS製造技術のライセンスを供与。
 90年代に入ると安価な海外メーカーの競合品が市場に流れ込んだため、これに危機感を感じ、高付加価値の機能性材料の開発を開始。また、受託事業を通じた技術転換にも積極的に取組み、2003年安全管理が難しい多官能エポキシ樹脂の受託生産を開始。当該製品はその後ボーイング787機向け炭素繊維複合材料(CFRP)の主要成分として採用されている。
 創業以来の主力製品であるDHDPSはスーパーエンプラの原料、難燃剤原料、感熱紙用顕色剤、繊維の染色助剤原料等々として世界中で幅広く使用され続けている。
 スルホン化技術を生かし世界のリーディング企業として発展。更なる高付加価値製品の機能材料の開発に向け、産学官連携プロジェクトへの積極的な参画や、開発型マルチパーパスプラントの増設投資を継続しており、今後の更なる発展が期待できる。

株式会社たねや
代表者山本 昌仁
所在地滋賀県 近江八幡市ラ コリーナ
事業和菓子・洋菓子製造販売、喫茶・食事
設立1972年
資本金9,000万円
年商110億円(2020年2月期)
従業員1,232名
 創業148年の老舗菓子舗。滋賀県近江八幡で長年地域に根差した商いを行う。
 51年洋菓子製造を開始。73年にはバームクーへンの製造を始め79年洋菓子部門が独立。現在は㈱クラブハリエとして和菓子製造の㈱たねやとともにグループを支える体制となる。
 84年デパート県外出店第1号、たねや日本橋三越店オープン。素朴で庶民的な和菓子である栗饅頭や最中に加え、歳時菓子を展開したところ大ヒット。99年クラブハリエがバームクーヘン専門店を阪神百貨店にオープン。バームクーヘンを丸太の状態で展示、焼きたての商品を販売し行列ができる人気店となる。これらの出展を機に会社規模は拡大、製造現場での機械化も進む。現在グループ全体で全国に51店舗を展開。
 2008年ふるさと滋賀で豊かな自然を未来へつなぐプロジェクトを始動。15年自然に学ぶをコンセプトにした旗艦店「ラ コリーナ近江八幡」をオープン。3万5千坪の敷地で自然とお菓子を楽しむ空間は県内トップの集客力を誇り、19年度は年間320万人が訪れた。
 「菓子の素材は自然の恵み」と考え、農や生産者とのつながりを大切にしている。手作りと機械生産のバランスを見極めた菓子製造を続けながら、時代に合わせ細やかな味の調整も行う。SDGsの取組や未来へ向けた実践を発信し続けるなど、今後の更なる発展が期待できる。

株式会社アイグランホールディングス
代表者重道 泰造
所在地広島県 広島市中区光南2-1-20
事業保育サービス事業他
設立2013年11月
資本金7,050万円
年商155億円(2019年12月期
従業員5,188名
 1966年入院患者向けのテレビレンタル事業として創業。95年旅行用スーツケースレンタルも開始。衛生面と顧客対応力に優れ大手旅行会社と一括契約を締結し業容拡大するも、アメリカ同時多発テロで業績が一変し有事の弱さを痛感。
 新事業模索の折「病院内保育」の雑誌記事に魅力を感じ、2001年当該企業とフランチャイズ契約を締結し、04年事業所内保育を受託。08年には広島県内初の株式会社運営の認可保育園を開設。現在は全園独自経営に変更し規模を拡大。
 保育者全員が有資格者、手作りおやつ等「食育」の拘り、英会話等「教育プログラム」無料提供、乳幼児突然死防止にIoT技術も活用する等の特色を持ち、2020年10月末の保育施設運営数426園、うち事業所内保育園313園(病院9割)で共に日本一の規模に発展。初期投資が大きいが利益率が高い認可園とその逆の認可外園のバランスをとることで財務基盤強化も進んでいる。
 各園毎の工夫した取組を披露・表彰する機会の創設や保育士の処遇改善等、価値観共有や各人の成長を促す取組を実施。
 首都圏中心に効率よく認可保育園運営に注力する会社が多い中、離島や中山間地区も含む認可外の事業所内保育園を中核に展開。医師・看護士不足、待機児童等社会問題解決の一翼を担い「未来に貢献できる企業でありたい」という企業理念の下、今後の更なる発展が期待できる。

株式会社くまさんメディクス
代表者白瀬 嗣久
所在地熊本県 熊本市北区下硯川町2205
事業半導体製造装置製造業
設立1988年10月
資本金9,000万円
年商139億円(2019年8月期)
従業員1,034名
 1988年産業用高圧ガスを中心とする専門商社集団であるくまさんグループの技術部門が、東京エレクトロ九州㈱(TEL九州)の半導体製造装置の商社から製造業への変化のタイミングを捉え、統合独立。競合他社に先んじて工場建設、半導体関連に進出したい当社と新たな外注先を探していたTEL九州の思惑が一致し半導体製造装置組立の受注に成功。その後半導体需要が拡大する中、TEL九州からの受注増に対応し積極的な設備投資を展開、クリーンルームを備えた工場を熊本県内に11か所擁し、1,000人の従業員を雇用。地元の雇用創出に大きく貢献。
 主な受注製品は、半導体製造プロセスの前工程で使用される、コータ・デベロッパおよび枚葉洗浄装置。前者はTEL九州の主力製品で世界シェア8割を占めており当社は約50%受注。組立を中心に量産設計、部品調達、調整(試運転)、検査、据付(スタートアップ)の全てに対応でききることにより他社との差別化が図れており、また製造技術やノウハウ等をデータベース化し蓄積していることから素早い増産対応が可能なことが強みとなっている。
 積極的な設備投資を継続しTEL九州からの厚い信頼を獲得し、なくてはならないパートナーとなっているとともに、TEL九州以外の新規先開拓にも注力し売上の約3割を占めるまでになっており、今後の更なる発展が期待できる。

株式会社友桝飲料
代表者友田 諭
所在地佐賀県 小城市小城町岩蔵2575-3
事業各種清涼飲料水・健康飲料・酒類の企画・開発 製造・販売
設立1966年4月
資本金3,000万円
年商101億円(2020年2月期)
従業員153名
 創業118年の清涼飲料メーカー。1902年ラムネ製造で創業。70年他社に先駆けて人工着色料から天然着色料に変更。75年炭酸飲料および果汁飲料JAS認定工場の認可取得。
 2000年飲料業界初「商品化サポート事業(友桝ODM事業)」開始。当該事業の一環として、03年「こどもびいる」を発売開始し「ビール様清涼飲料」という新市場を形成。さらに05年「スワンサイダー(復刻版)」をワンウェイ瓶を使い発売開始。地元の名産・名水を生かしたサイダーは「地サイダー」として全国各地に拡大。
 12年日本初の天然水使用PETボトル無糖炭酸水「蛍の郷の天然水スパークリング」、15年世界最高峰ガスボリューム5.0強炭酸水「VOX」を開発。
 飲料業界において数々の業界初の製品を世に送り出してきている。「友桝ODM事業」は商品設計からデザイン、パッケージ、販売支援に至るまでトータルで行い、1ケース24本からの小ロット生産を可能にする生産管理システムを構築。
 「他の人より一歩先んじる」との創業以来の精神を大切にしており、大手が狙わない細分化した市場に着目しユーザー共創型の独自商品開発と小ロット多品種生産システムを構築。さらにNB、PB、ODM事業を展開、業界における独自のポジションを確立し大手との差別化に成功。本社工場移転後9年間で売上8.4億円から100億円に拡大。今後の更なる発展が期待できる。

特別賞
コンチネンタル株式会社
代表者岡田 幸雄
所在地富山県 富山市水橋沖172
事業板金加工業
設立1991年10月
資本金1,000万円
年商8億円(2020年7月期)
従業員83名
 1991年板金加工業として創業。創業者である現社長はパルプメーカー倒産後転職した老舗呉服店、鉄工所で学んだ、顧客管理、受発注管理、在庫管理、入出金管理等経営ノウハウを活かす。
 創業以来、少量多品種生産を追求。大手企業との競争に勝つために「部品ひとつ」、「パーツひとつ」、「カバーひとつ」といった一点物の需要が一定量存在していることに注目。少量多品種生産を貫徹するために、工場・機械設備、人材(中途採用の職人の早期育成、新卒の「一人鉄工所化」)を少しずつ整備し、生産システムを確立、IT化を推進。
 月間60社、4,000種類の製品を製造。内7割が初回品で、その多くが一点物。マシニングセンタ全体カバー、薬品向け液パン、半導体製造装置向けカバー、食品ライン向けホッパー、真空チャンバーなどを製造。図面1枚で受注からプログラム、製造、出荷まで一社完結による一貫生産体制を構築。さらに生産管理システムを導入し紙ベースの図面をデータ化。
 「板金業界はものづくりに欠かせない業界である」との強い信念のもと、機械化された大量生産との差別化を図り職人技術が必要とされる少量多品種生産を戦略として打ち出し、一貫生産体制を構築、さらに生産管理システム・ITの導入により生産性向上・生産効率化を図っている。今後の更なる発展が期待できる。

株式会社サンシン
代表者細貝 晃司
所在地新潟県 長岡市平島1-11
事業超仕上げテープ式研磨装置の開発、製造、販売
設立1957年11月
資本金7,530万円
年商7億円(2020年4月期)
従業員22名
 1955年専用機の設計・修理として創業。当社オリジナル製品を模索している中、78年国産研磨テープ生産開始の新聞記事を見て、装置メーカーとして名乗りを上げ、生産開始。
 80年頃アナログ式テープレコーダー磁気ヘッド先端部の最終研磨に使われ爆発的にヒット。その後フロッピーディスク研磨、ハードディスク研磨に使用され、87年研磨装置に特化。90年頃から電子産業の生産拠点海外移転に伴い、自動車産業に軸足シフトを図る。
 テープ研磨装置の売上の90%が自動車産業向け。電子業界で培った小型化の技術が強みであり、安価かつ高性能が特色。現在、カムシャフト向け研磨装置は業界トップに並ぶ。
 テープ研磨のメリットは、①粒子径100μm~0.1μmまで目的に合った粗さ仕上げが可能、②当社製の特徴として、高い熟練度を必要とせず作業時間・人件費を効率化、③粉塵がほとんど上がらず環境面でクリーンな加工環境を実現、が挙げられ、当社はテープ研磨法の認知度を向上させるため、新しいテープ研磨装置の開発、バリエーションの増強等図っている。
 テープ研磨におけるデジタル装置業界での草分けであり、唯一の専業メーカー。電子業界で培った小型化の技術をもとに自動車分野のトップに並ぶまでに成長。設計・組立を行う研究開発型企業として今後の更なる発展が期待できる。

株式会社筑水キャニコム
代表者包行 良光
所在地福岡県 うきは市吉井町福益90-1
事業農業用・土木建設用・林業用運搬車、草刈作業 車の製造販売
設立1955年12月
資本金10,000万円
年商63億円(2019年12月期)
従業員278名
 1948年現社長の祖父が家業の鍛冶業を引き継ぐ形で創業、当初草刈鎌等生産。農業用機械への参入を図り法人化。61年鋼板製農用トレーラー製造開始。79年業界で初めて林業用運搬車を開発、その後土木建設用運搬車、更に93年草刈機を開発し、事業分野を拡大。
 海外展開に力を入れ、84年農業と林業が盛んで日本と地形の似ているスイスに販売拠点設置。86年貿易部設置、2001年にアメリカに北米拠点を設置するなど積極的に海外展開を図り、現在46か国に進出。輸出割合は売上の4割を占める。
 草刈機がメイン製品。平地用・山岳用・太陽光発電所用等多様な機種あり。農業用運搬車・林業用運搬車は国内トップシェア。
 当社のものづくりの原点は顧客の「ボヤキ」に徹底的に耳を傾けることにあり、他社と同じような製品は絶対に作らないことを開発方針としている。ユーザー目線で細部にこだわった設計、ものづくりに定評あり。また、全ての製品へのネーミング(「草刈機まさお」、「伝導よしみ」など)、当社販売先である農機具メーカーとは別の独自の新商品発表会や展示会の開催など、独自のマーケティング手法を展開。
 「幸せをはぐくみ、満足を運ぶ人間集団」を企業理念として「ものづくりは演歌だ」との精神でものづくりを行っているユニークな企業。今後の更なる発展が期待できる。

株式会社南信精機製作所
代表者片桐 良晃
所在地長野県 上伊那郡飯島町七久保815
事業精密プレス部品・精密成形品・複合加工品の 製造販売、金型・生産検査設備の設計製造
設立1960年12月
資本金4,800万円
年商44億円(2019年9月期)
従業員221名
 戦後の諏訪地方が精密工業で活況となる中、1960年現社長の祖父が精密自動旋盤でオルゴール部品の製造を開始。
 67年マイクロモーター用整流子の製造を開始。整流子の製造工程である金属加工、樹脂成形加工、アセンブリについて周囲に外注できる企業が無かったことから自社一貫生産体制を構築。さらに金型、検査機能付き自動組立機等を自社生産するまでに至った。
 78年金属と樹脂の組み合わせによる組立式整流子、85年複合精密電子部品「プレスチックス(意匠登録)」を開発。この技術が高く評価され大手メーカーから電子部品生産依頼が増加。当社発展の大きな契機となる。2001年車載コネクター分野に進出。
 現在、車載関係が売上の80%を占めており、搭載車種は自動車メーカー16社、80種に及んでいる。LEDランプソケットはアルミプレートと樹脂の一体成形により軽量化・耐久性向上・コストダウンを実現。量産対応は当社のみで20車種以上に搭載、世界シェアトップ。
 金属と樹脂を組み合わせた精密電子部品の一貫大量生産という根幹を貫き、さらに金型、検査機能付き自動組立機の自社生産による省力化・自動化が当社の強みとなっている。生産能力増強を継続的に実施、人材育成に力を入れており、今後の更なる発展が期待できる。

藤井精工株式会社
代表者藤井 福吉
所在地福岡県 鞍手郡鞍手町室木1057-1
事業金型設計・製造、医療機器製造
設立1984年4月
資本金3,000万円
年商8億円(2019年9月期)
従業員77名
 1976年現社長が前職の大手プレス用精密金型・工作機械メーカーで得たノウハウを生かして金型・治具・自動機の設計事務所として創業。
 80年精密金型及び治工具の設計・製作開始。その後プレス、電気加工などの生産設備を導入し内製化を進め、さらに半導体関連の金型製造に対応できる高精度加工設備を導入するなど、一貫生産体制を構築し、数少ない超精密金型専門メーカーとして発展。
 金型生産特有の受注生産による売り切りから量産可能分野の開拓を目指し2014年医療関係展示会に出展、米国医療ベンチャー企業Glaukos社に注目され緑内障施術デバイス製造を受託。
 現在売上の過半は金型関連。半導体用金型、電気電子パーツ用金型等、12,000型以上製作。製品公差0.001mm単位で調整できる技術を保有。
 緑内障施術デバイスはGlaukos社が開発した緑内障用世界最小ステントを挿入するための針。外径はΦ0.33mmと極小、先端部に極小のコレット機能を有し、当社の超微細精密・特殊加工技術は世界でもトップクラス。
 設計・製造・組立・品質保証までの一貫生産体制を構築している数少ない超精密金型専門メーカー。医療事業への参入により量産部品製造へ進出。さらに国内外大手医療機器メーカーとの共同開発進展、当社発展の大きな契機となる。今後の更なる発展が期待できる。


タイトルとURLをコピーしました