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表彰事業

2022年度表彰企業のご紹介

受賞企業
清川メッキ工業株式会社 / 三笠産業株式会社
株式会社ソユー / 株式会社キーテクノロジー / 株式会社タナベ / 森岡産業株式会社 / ジェックス株式会社 / 三笠産業株式会社 / 株式会社ニッカリ / 株式会社新生堂薬局
セイキ販売株式会社 / 株式会社ダイワテック / 中田食品株式会社 / 大和合金株式会社
FSX株式会社 / 株式会社ジョリーグッド
清川メッキ工業株式会社 / 三笠産業株式会社
株式会社ソユー / 株式会社キーテクノロジー / 株式会社タナベ / 森岡産業株式会社 / ジェックス株式会社 / 三笠産業株式会社 / 株式会社ニッカリ / 株式会社新生堂薬局
セイキ販売株式会社 / 株式会社ダイワテック / 中田食品株式会社 / 大和合金株式会社
FSX株式会社 / 株式会社ジョリーグッド
グランプリ
清川メッキ工業株式会社
代表者清川 肇
所在地福井県 福井市和田中1-414
事業電子部品、半導体、機械加工部品等へのめっき加工
設立1968年11月
資本金4,000万円
年商70億円(2022年4月期)
従業員313名
 1963年創業。オートバイ・リム等へのアルマイト処理で量産技術を磨く。
 75年バレルめっき工法を開発し、チップ部品への接合めっきで電子部品分野へ進出。82年には業界初の社内研究所を設立し、防食めっきから電子部品への機能性めっきに軸足を移し発展。
 2000年にはプリント基板への接合めっきで半導体分野にも進出。同時期に大手自動車メーカーから電動化自動車用パワー半導体用めっき加工の要請を受け、試作・研究開発を繰り返し14年に半導体ウェハへのマスキング技術開発に成功し量産開始。めっき加工したパワー半導体のシェアは、世界2割、国内5割を占めている。
 ナノオーダーでめっき皮膜をコントロールする技術は、パワー半導体のほか、スマホやIT・DX関連、運転システム機器等、通信・産業・自動車・医療機器の幅広い分野で活躍中。
 また、ISO取得ノウハウの他社への無償提供により、同業者の100社以上の認定取得に寄与するなど、日本のめっき業界全体の技術力・品質向上にも貢献度が高い。
 ナノめっき技術は製品小型化を通じ省資源化や省エネ化にも貢献し今後も様々な分野への応用が期待されるとともに、普及が見込まれるSICパワー半導体へのめっき加工でも先行しており、「日の丸半導体」を支える企業として、今後の更なる発展が期待できる。


三笠産業株式会社
代表者京谷 弘也
所在地東京都 千代田区神田猿楽町1-4-3
事業地固め機等小型建機の製造・販売・メンテナンス
設立1947年7月
資本金2億4,000万円
年商149億円(2022年5月期)
従業員167名
 1937年創業。戦後、進駐軍からコンクリートバイブレーターを受注し小型建機分野に本格参入。61年国内初のタンピングランマーを開発、海外製品に比べ小型軽量で操作性も優れ飛躍のきっかけに。その後も各種の道路工事用地固め機を次々に国産化。高い耐久性も評価され建設ラッシュに沸く全国の工事現場で大活躍する。
 68年技術研究所を新設、設計・開発・試験体制等を整備。87年には部品サービスセンター、92年に物流センターも設立。技術力とアフターサービスで他社との差別化を図り、建機レンタルへの営業強化戦略も奏功しシェアは更に向上。現在では、プレートコンパクター(国内シェア7割強)、タンピングランマー(同9割弱)など多くのニッチトップ製品を擁する「人が搭乗しない地固め機」のトップメーカーとして発展。
 海外市場でも、欧州で要求される高い防音性・防振性など全製品を世界最高水準の規制に適合させ、世界80ヵ国に輸出し海外売上5割と、世界的ブランドとして認知されている。
 これまで国内外の社会インフラ整備に大きく貢献してきており、また作業者の健康被害を防止するアンチバイブレーションシステム開発や電動化・超低騒音化への取組みなど、世界の小型建機開発を牽引する企業としての役割期待も大きい。建設現場に欠かせない企業として、今後の更なる発展が期待出来る。


優秀企業賞
株式会社ソユー
代表者今野 秀一
所在地秋田県 秋田市卸町3-7-3
事業アミューズメント施設の企画、運営、管理
設立1979年6月
資本金5,000万円
年商117億円(2022年3月期)
従業員977名
 1977年ゲーム機レンタルで創業。93年弘前の商業ビルに直営店を出店、以降はアミューズメント施設の運営を手掛け、業界に先駆け明るい照明や死角の少ない店舗設計に加え、豪華客船やブレーメンの音楽隊など店舗毎に異なるコンセプト設定を特色として業容を拡大。
 2001年出店先の3割を占めるマイカルの倒産で多額の貸倒損失を計上。08年リーマンショック時は過大な有利子負債が大きな負担となるが、苦渋の選択の中、陣容・店舗の見直しを断行し、債務圧縮と筋肉質の事業基盤への転換を実現。
 15年以降はキャラクターをモチーフにした喫茶店やグッズ販売、牧場をイメージしたアスレチック広場や文房具売場などを併設した複合サービスも展開。
 近年、映画のプロモーションにタイアップし、全店でデジタルサイネージを導入するなど、キャラクターを用い一人一人の趣味や個性に働きかける要素も取り入れていく方針で時代に合わせた事業変革にも積極的に対応。
 「健全かつ安全」に子供から年配者までが「安らぎ・驚き・感動」を共有する秋田発アミューズメント施設を現在、北海道から山口県まで65店舗を運営し、売上規模は全国6位を誇るまでに成長。「創遊」の思いを原点に感度高く新たな「遊びの空間」を創造し、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社キーテクノロジー
代表者津田 和光
所在地群馬県 佐波郡玉村町上茂木448-1
事業建機部品製造
設立1983年3月
資本金2億6,505万円
年商143億円(2022年3月期)
従業員191名
 1983年カツシロマテックス㈱(本社京都)の東日本地区拠点として設立。大手建機メーカー向け鋼板加工(ガス切断)を始める。
 他社に先駆けたレーザー切断機導入や3000t大型プレス機導入など積極的に設備投資し、少量多品種生産体制の確立や、曲げ・穴あけ等の二次加工など他社との差別化を図り発展。
 90年代後半に業績伸び悩むも、建機メーカーの溶接外出しニーズを捉えた製缶部品の受注開始など2000年代からは業績拡大基調に。更には組立受注も始め、切板から組立までの一貫生産体制を確立。現在では中国(唐山)、ベトナム(ハノイ)含め世界3拠点で最適な生産体制、安定的なサプライチェーンを構築し建機メーカーの多様なニーズに応えている。
 主製品はロアフレーム(建機の足回り部品)、ラフテレーンクレーン用ブーム(クレーンの腕の部分)など。ミニショベル用ロアフレームの当社全体の月間生産台数は2,200台と世界最大規模。
 独自のCAD/CAMシステム構築やボルト孔のマスキングロボット開発(特許取得)など、生産工程・管理のロボット化・IT化が進んでいるが、業界最多水準の生産技術開発陣がその高い生産性を支えている。
 建機メーカーのニーズに応えるグローバルな生産体制とそれを支える厚い生産技術開発陣を擁し、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社タナベ
代表者田邉 郁雄
所在地新潟県 糸魚川市大野978
事業工業炉・自動化設備など産業用機械器具製造
設立1951年8月
資本金6,750万円
年商63億円(2022年9月期)
従業員165名
 1922年鉄工所創業。戦後、電炉を製品化し、製鉄産業の急成長に伴い合金鉄製造用電気炉で事業を拡大。販路を海外にも展開し、「電気炉の田辺」と呼ばれるまでに成長する。
 70年代半ばから日本の粗鋼生産量が減少に転じたこともあり、80年代以降ロックウール炉、ごみ焼却灰溶融炉、工業炉と製鉄から自動車・化学業界等へ事業領域を拡大。さらに搬送機械等の電気炉の前後設備をはじめとした各種自動化機器も手掛け、炉本体と周辺の自動化設備をセットで提案・供給できることも強みとなっている。
 近年の当社の大きな成長を支えているのが、外熱式ロータリーキルン(回転窯)。EVバッテリー原料などの高機能粉体の製造工程において乾燥・焼成に利用され、高精度な温度コントロールと連続生産が可能でリチウムイオン電池の生産効率を向上させている。特に欧州で需要が大きく大型受注が増加しており、19年にはスウェーデンに現法を設立しメンテナンス強化と海外での更なる販売拡大に取り組んでいる。
 当社は、熱エネルギー分野で高度な技術開発に成功し、生産工場を有したエンジニアリング会社として時代と市場のニーズに対応してきた企業。主力製品は脱炭素社会に貢献する製品として需要は旺盛であり、今後の更なる発展が期待できる。


森岡産業株式会社
代表者松浦 美千穂
所在地三重県 三重郡川越町亀崎新田字下新田77-574
事業冷間鍛造・精密切削加工による金属部品等の製造
設立1944年11月
資本金9,800万円
年商80億円(2022年3月期)
従業員185名
 1936年肥料製造で創業。軍需用ねじを経て、戦後は産業機械用ねじ製造に事業転換。70年代からは自動車のブレーキ・シート部品の取引先設計図面付き特殊品の生産を開始。しかしながら冷間鍛造による成形や簡単な切削加工は自社で、難度の高い切削加工は外注としていたため、低収益に喘ぐ時期が暫く続く。
 2012年現会長が社長に就任後、低収益構造からの脱却を図るべくビジネスモデル改革を決断。高難度な切削加工の内製化及び精密NC旋盤等の設備投資を積極的に推進するとともに、組織文化の変革にも取り組み、戦略の明確化や組織のフラット化による開発力向上を図る。
 2013年他社が対応出来なかった電動パーキングブレーキ用部品の鍛造ヘリカルギアの量産化に挑戦。極めて難度が高かったが、この挑戦をきっかけに営業、技術、設計部門の自発的な情報共有と社内の一体感が高まるとともに、高精密製品の短納期・多品種大量生産が可能となり、その後の当社成長の礎となっている。冷間鍛造と高精密切削加工の長所を組み合わせることで精度・生産量・納期・コスト面で差別化し、自動車減産の中にあっても業績は拡大中。
 オーナーのいない企業として「会社は社員のもの」「会社は社員自らが発展させていく」という組織風土が社員の高いモチベーションに繋がっており、今後の更なる発展が期待できる。


ジェックス株式会社
代表者五味 宏樹
所在地大阪府 東大阪市今米1-14-5
事業アクアリウム、小動物、犬猫用品等の開発・製造
設立1977年7月
資本金7,420万円
年商115億円(2021年12月期)
従業員119名
 1977年現会長が家庭用観賞魚用品販売で創業。国内初サイズ別エアーポンプや保温器具、フィルターなど水槽アイテム中心に事業基盤を築く。
 96年CI導入を契機に小動物関連に参入した他、インドネシアの合弁会社でガラス水槽を内製化し品質向上を実現。更に業界に先駆けマーケティング思考やVIを導入し、ワイングラス型水槽などビギナーの興味を引く商品開発や店舗と共同で効果的な陳列・レイアウトを創造。GMSやホームセンターなど新たな流通チャネルを開拓し業容を拡大。観賞魚関連商品は国内トップシェアで水槽は70%を占め、他のペットカテゴリーでも斬新さを打ち出し、ケージやフィルター式給水器など多くの商品で顧客の支持を得ている。
 需要増に対応すべくインドネシア工場拡張とアームロボット6台導入など生産性アップに取り組むと共に研究棟に温冷室設置と最新の非破壊検査機器を導入し、開発製品の有効性チェックと品質確認強化を進め事業の高度化を推進。
 大学との共同研究で「観賞魚飼育が人の心に与える効果」としてリラックスやストレス緩和、癒し、高齢者の生きがい等の立証や命の尊さや思いやる心の大切さを育むSTEAM教育イベントなど業界全体の活性化にも貢献。業界では数少ない研究・検査施設を有し、自社工場で高い品質を維持するリーディングカンパニーとして、今後の更なる発展が期待できる。


三笠産業株式会社
代表者林田 大地
所在地奈良県 北葛城郡広陵町寺戸27番地
事業プラスチックキャップ、PETボトル等製造
設立1956年10月
資本金1億円
年商113億円(2022年3月期)
従業員546名
 1912年創業来、キャップ製造を軸に事業展開。63年密閉性に優れるプラスチック製王冠が大ヒットで発展の足掛りを掴み、69年日本初の「プルオープン」、97年「分別支援」、2010年「プルリングレス」など革新的な食品調味料キャップや少容量体(300ml程度)のPETボトルを開発し業容拡大。14年タイ現法を設立しリサイクルキャップ等を通じて環境配慮意識の高まりに貢献しつつ東南アジア地域を軸に海外でも事業基盤を確立。
 調味料キャップや容器開発は累計約5,000点で機能性等を高める多くの産業財産権を保有。商品ラインナップは約1,300点で食品調味料キャップは国内トップ水準のシェアを有し、ドレッシングとつゆは6割に及ぶ。近年は協業にも注力し大手食品メーカーとの「密封ecoボトル用キャップ」開発の他、素材メーカーと調味料用キャップのリサイクル品開発など業界の持続的発展にむけた地道な取り組みを実施。
 中期事業計画で、環境配慮・食品衛生・少子高齢化に対し持続的に対応可能な生産インフラ構築を掲げ、県内3工場の新工場集約による生産性向上と地域雇用促進に取り組むと共に、新事業開拓をテーマに医療、化粧品、トイレタリー分野の製品開発も推進中。
 三笠スタイル「現状否定・創意工夫」のもとキャップ事業をドメインに新たな付加価値を創造し、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社ニッカリ
代表者杉本 宏
所在地岡山県 岡山市東区西大寺川口465-1
事業刈払機、園芸機器、急傾斜地運搬機等の製造販売
設立1959年7月
資本金4,800万円
年商74億円(2022年5月期)
従業員126名
 1959年現社長の祖父が携帯用万能刈取機を開発し創業。顧客のニーズに沿い穴掘機やタケノコ運搬機などを製品化し事業基盤を形成。
 66年急傾斜地でのミカン運搬用に国内初の農業用モノレール開発が契機となり業容を拡大し、イタリアのブドウ農園など海外にも販路を開拓。
 近年、モノレールの運搬能力向上に取り組み、最大積載量3t迄を実現。山間部のインフラ整備や災害対策、復旧工事用の資材や建機運搬など土木・建設分野の需要が拡大。
 刈払い機と園芸機器の新たな生産拠点として中国子会社を加え国内外の大手企業OEMや主要部品を供給するなど基幹事業として定着し、モノレール事業は全国シェア6割を占める迄に成長するなど、飛躍的な発展を継続している。
 現在、生産力アップのため新たな生産拠点を探すと共に農園芸機器、モノレールとも電動化への対応等、事業の高度化を促進するため本社隣接地に開発棟と試作棟を建設中で、人材確保や処遇改善も含め研究開発力強化に向けた体制作りに注力中。
 現社長への交代を契機に、組織の若返りと企業風土の活性化に取組み、「業務効率化による利益最大化」と「社員が働き易い環境整備」を両立させ業績が大きく向上。海外も含めたニッチ分野で強みを発揮する研究開発型企業として、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社新生堂薬局
代表者水田 怜
所在地福岡県 福岡市南区中尾3-12-17
事業調剤薬局、ドラッグストアのチェーン展開
設立1984年3月
資本金5,000万円
年商252億円(2022年9月期)
従業員1,285名
 1978年薬局で創業。84年法人化し福岡、熊本を中心に調剤薬局とドラッグストアを展開。
 業界初のCRM機能付きスマホレジアプリ、医薬品の自動入庫払い出しロボットの導入等、顧客の利便性と従業員の就業環境向上に積極的にITを導入しDXを推進。地域医療機関との連携で医師の診断から薬の処方・服薬指導迄をオンラインで一元対応する仕組みづくりに注力。
 2019年電子化粧品台帳導入、22年「健康台帳®」を開発し化粧・医薬品、サプリメント等の購入履歴、健康状態等の一元管理により、地域住民の健康に関する情報とソリューション提供機能を持つ「ヘルスケアステーション™」としての認知、ブランド確立を標榜。包括的データに基づく正しいカウンセリングとセルフメディケーションによる早期発見・治療開始、治療継続、重症化予防の好循環への貢献を目指している。
 21年福岡県飯塚市と生活習慣病予防など健幸都市づくりに関する包括連携協定を締結。大手ドラッグストアが重きを置く「生活便利ストア」とは一線を画し、従業員の半数超を医療関連資格保有者として医療費抑制にも繋がる「プレホスピタルカウンセリング」機能の充実に経営資源を集中。現在、調剤薬局80店、ドラッグストア51店舗を展開。ドラッグストア将来像に明確なビジョンを持ち、存在感のある会社として、今後の更なる発展が期待できる。


特別賞
セイキ販売株式会社
代表者守谷 守
所在地東京都 練馬区豊玉南3-21-16
事業網戸等の製造販売
設立1965年11月
資本金9,900万円
年商67億円(2021年9月期)
従業員322名
 1960年プラ素材の需要拡大に着目し創業。大手家電メーカー洗濯機の排水ホースをブリキから樹脂素材への転換を果たし事業基盤を確立。自社製品開発にも注力する中、プラフレーム付フリーサイズ網戸が大ヒットし、65年販売部門として当社を設立。
 73年アルミ製フリーサイズ網戸が加速度的に普及する中、大手サッシメーカーも市場に参入し価格競争が激化。質への拘りを強く決意し、全社挙げてアイデアを製品化する取組みを開始。
 業界初の横引きロール式や中折式、アコーデオン型など用途に応じた網戸を商品化。窓サイズの均一化が進まないことも重視して、関連会社は量産品、自社工場はオーダーメイドに特化するきめ細かい製造体制を構築し他社との差別化を確立。サッシメーカーのOEM生産も売上高の5割を占める網戸のトップメーカーに成長。
 用途に応じた網戸のバリエーションの豊富さが強みで、93年から毎年開催の社内開発コンクールがその原動力となっている。同コンクールから誕生した製品の累計売上金額は1200億円、特許取得も社内に定着し現行94件に上る。
 地球温暖化が進む中、海外でも網戸の需要が増加。本格的な海外事業の体制構築を検討中。エネルギーに頼らず工夫とアイディアにより環境に優しく住宅等の質を高めた功績は大きく、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社ダイワテック
代表者岡 忠志
所在地愛知県 名古屋市西区大野木3-43
事業ソーラーシステムハウス製造及び建築工事
設立1982年2月
資本金5,500万円
年商45億円(2022年3月期)
従業員64名
 1982年工事現場資材のレンタル業として設立。業績低迷の中、90年に現社長が代取就任。このままでは会社存続の危機と業態転換を決断し、「ソーラー街路灯」の製造販売を皮切りに、ソーラ―システム事業の強化に取り組む。
 東日本大震災に際し、南三陸町へ「ソーラー街路灯」を4基寄贈。その時目にした被災者の「灯り」を囲む姿を見て、「小さな電力会社」という信念の基、社会貢献したいと強い思いを抱き、自然エネルギーを利用したソーラーシステムハウスを開発。
 同ハウスは、外部電源が不要で、移動設置が簡単、設置後直ぐ利用でき、無日照が3日間続いてもバッテリーで1日8時間、エアコン・冷蔵庫等の利用が可能。建設現場等の仮設事務所として広く利用されており、現在ではレンタルを中心に全国で約1400棟が稼働中。
 また、常流循環型ソーラーバイオトイレやトイレ付ソーラーシステムハウスなど新製品開発にも取り組んでいる。
 当社は現在全国59の自治体と災害発生時にレンタルハウス等を被災地へ移送・設置する災害時支援協定を締結するなど社会貢献度も高い。
 建設現場の労働環境改善とカーボンニュートラルの双方に貢献度が高く、社会に求められる企業として、今後の更なる発展が期待できる。


中田食品株式会社
代表者中田 吉昭
所在地和歌山県 田辺市下三栖1475
事業梅干・梅酒・梅加工食品の製造販売
設立1962年4月
資本金9,000万円
年商89億円(2022年3月期)
従業員274名
 創業125年の老舗企業で1950年以降は梅加工業に専念。67年に開発した減塩調味梅干しが人気となり、その後紀州産梅干しを使用した「梅ぼし田舎漬」が大ヒットとなる。流通網が整備されていない時代から全国通販を手掛けたことで知名度が向上し産地の梅産業の業容拡大に至った。産地ならではの完熟梅を使った梅酒は海外でも人気が高く、輸出先は延べ37カ国に上る。
 近年、梅干しの健康機能性を紹介するTV番組やスポーツ選手が梅干しで塩分補給を行うシーンの放映等で注目され、本社売店にバスツアーで年間8万人が訪れるなど需要が増大。18年度売上高は前年比25%増の97億円を計上。以来、約90億円の売上高を維持している。
 梅干しの食文化を継承すべくSNSで梅を使った献立紹介等による若者層への裾野拡大、地元契約梅農家の梅全量買取り、農家が担ってきた梅の漬込みを高齢化に配慮して設備を新設し引き受けるなど、様々な取組みで梅の一大産地の維持・発展に貢献。更に持続的成長に向け、産廃処理されていた廃液を処理し再生可能エネルギーとするバイオガス発電所を新設するなど環境問題への取り組みや、食品安全の国際規格FSSC22000取得による品質保証の向上、梅の特徴に応じた製造ライン自動化など、全国の梅干出荷額の2割を占めるトップ企業として業界の範となり、今後の更なる発展が期待できる。


大和合金株式会社
代表者萩野 源次郎
所在地東京都 板橋区前野町2-46-2
事業特殊銅合金の開発・製造・加工
設立1953年4月
資本金4,500万円
年商70億円(2022年3月期)
従業員44名
 1941年現社長祖父が研究所設立し「YGブロンズ(結晶微細化強力合金)」を開発。以来、新合金の研究・開発に力を注ぎ、特殊銅合金の製造を一筋に行ってきた。
 63年設立の三芳合金工業㈱(当社製造工場)で溶解から鋳造・鍛造、押出、引抜、熱処理、機械加工まで、様々な特殊銅合金を一貫生産。
 主要製品の「NC合金」は、万能合金と言われていたベリリウム銅が人体に有害な可能性がある事が危惧され、その代替材として20年の歳月をかけ世界で初めて開発・実用化に成功したもの。
 そのほか純銅に多様な素材を組み合わせ100種類を超える特殊銅合金を開発生産し、自動車・半導体・航空機業界ほか幅広い分野に高品質の材料を供給している。08年からは次世代エネルギーの国際協力プロジェクトである国際熱核融合実験炉(ITER)への材料供給にも参加中。
 当社は、「地元と社員を家族同然と考える」経営方針のもと、親子・夫婦社員も多い大家族的経営や老若(最高齢86才)・男女・多国籍の多様な社員構成、社員の博士号取得支援などの「人づくり」に取り組み、社員のモチベーションや帰属意識の高さは極めて高い。
 高い研究開発力と一貫生産体制で日本・世界の様々な産業に製品を供給、その発展に大きく貢献するとともに、それを支える「人づくり」も素晴らしく、今後の更なる発展が期待できる。

イノベーション事業化推進賞
FSX株式会社
代表者藤波 克之
所在地東京都 国立市泉1-12-3
事業おしぼり等の企画開発、レンタル及び販売
設立1972年12月
資本金4,000万円
年商20億円(2021年8月期)
従業員152名
 1967年おしぼりレンタルで創業。飲食店用商材も手掛け地域密着型の事業展開。アロマ香る高級おしぼりやプライベートブランドの商材開発など独自性を発揮する中、ポリ酸の先行研究の実証結果に着目し2012年抗ウイルス・抗菌水溶液「VB」を開発。19年副成分見直しや耐熱性・固定性改善、検査体制構築によりクリーニング業界や文具メーカー等にも販路を拡大。「VB」はポリ酸のブロックと不活性活機能を活かしてウイルスや菌を99.99%以上抑制し、耐性菌を生まず、肌への負担が少ないことが特徴。19年には、EUの環境規制や米国の成分規制を踏まえた副成分への変更や固定性改善、300℃迄の耐熱など機能性を向上し、再開発を行った。「VB」含有率や有効性等の検査体制構築を実現し用途の拡大が続いている。
 使い切りおしぼりを観光・宿泊産業に拡大すべく停止していた工場の再稼働準備を開始。更に21年ポリ酸の皮膚抗老化作用に関する論文がスイス学術誌に採択されたことで、厚生省の「雑貨」分類にある使い切りおしぼりの品質改善を進め「化粧品」認定取得に注力中。
 再開発の「VB」は複数の大学発合同ベンチャーと当社の共同研究で2020年当社子会社が特許を保有。ライセンス化など業界全体の底上げにも寄与しながら、事業領域を拡大し、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社ジョリーグッド
代表者上路 健介
所在地東京都 中央区日本橋富沢町10-13
事業VRコンテンツの制作・運営・開発
設立2014年5月
資本金1億円
年商7億円(2022年5月期)
従業員66名
 2014年VR事業創造のため創業し18年外資系大手医療機器メーカーへの製品習熟を目的としたVRが高い評価を得たことを契機に医学教育分野を軸にVR制作事業を展開。
 20年に開発の「OPEcloud VR」で制作した大学病院の臨床VRが学会の研修教材となり、世界初のVR医療研修として注目され事業の素地を形成する。さらに会員が定額で利用できる医療VRのサブスクプラットフォームも開発し、医学教育VRの実用性を高めて業容を拡大中。
 VRはCGで製作されることが多い中、実写映像をベースとしていることが大きな特徴。医療VRプラットフォーム「OPEcloud VR」はVR映像をセルフで撮影・編集し、手技や動作を本人視点で体験実習できるVR教材を制作することができる。またVR実写映像にCGを組み合わせ研修者の手技を誘導・採点する世界初のインタラクティブ・トレーニングシステムや最大100名同時接続で一斉にVRトレーニングすることも可能。
 近年、医療界における働き方改革やコロナ禍等で医療従事者のスキル習得は大きな課題となっており、時間と場所に制約の少ない医学教育用VRは効率的な習得機会の提供に大きく貢献。大手製薬会社とデジタルセラピューティクス事業を手掛けるなど成長戦略も明確。国からの採択事業も数多く受託し、VR普及に中心的な役割を担いながら、今後の更なる発展が期待できる。



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