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表彰事業

2021年度表彰企業のご紹介

受賞企業
株式会社高知丸高 / ワッティー株式会社
能代運輸株式会社 / 桑名商事株式会社 / 布目電機株式会社 / 岩瀬コスファ株式会社 / 株式会社サンコー / 松浪硝子工業株式会社 / 株式会社タケウチ建設 / 濵田酒造株式会社
浅野撚糸株式会社 / 株式会社カワトT.P.C. / 日本理化学工業株式会社 / 株式会社ブルーム / 株式会社山本金属製作所
株式会社バイオクロマト
株式会社高知丸高 / ワッティー株式会社
能代運輸株式会社 / 桑名商事株式会社 / 布目電機株式会社 / 岩瀬コスファ株式会社 / 株式会社サンコー / 松浪硝子工業株式会社 / 株式会社タケウチ建設 / 濵田酒造株式会社
浅野撚糸株式会社 / 株式会社カワトT.P.C. / 日本理化学工業株式会社 / 株式会社ブルーム / 株式会社山本金属製作所
株式会社バイオクロマト
グランプリ
株式会社高知丸高
代表者髙野 広茂
所在地高知県 高知市薊野南町12-31
事業特殊基礎工事(大口径岩盤削孔、橋梁基礎工事等)
設立1967年9月
資本金2,000万円
年商49億円(2021年3月期)
従業員106名
 1965年現会長が運輸業で創業。重量物の輸送据付から土木基礎工事に進展。基礎工事の中、大口径岩削孔に取組む。79年硬質地盤岩盤抗打機開発を契機に「難基礎工事」の受注が増加し事業拡大の礎を築く。
 開発工法の岩パイル工法やダウンザホールハンマー工法のほか、海外大型削孔打設機の導入により、橋梁、港湾、ダム等の基礎工事に多くの実績を有す。
 橋梁工事「SqCピア工法」(特許工法)は上部工を先行架設し、橋脚杭を後で施工する逆手順の橋梁建設工法で、断崖絶壁等の環境下でも安全・耐震性確保と低コストを実現。国内外のインフラ整備等を工法の企画提案から設計・積算・管理・施工をワンストップで提供する、難基礎工事のパイオニア企業として業容を拡大。
 近年は自然災害も激甚化しているが、軟弱地盤や水中でも作業可能な水陸両用掘削機を開発し、堆積土砂の浚渫に対応。また、流木や軽石等の収集撤去船の開発にも携わっているほか、仮設部材を再利用した簡易橋やピンジョイントで1日で架設できる長尺橋梁は「どこよりも早く」橋をかけることができるなど、災害復旧・未然防止にも貢献。
 世の中のニーズに対応した多くの特許工法・機械を有す基礎工事におけるイノベーション企業として今後の更なる発展が期待できる。


ワッティー株式会社
代表者菅波 希衣子
所在地東京都 品川区西五反田7-18-2
事業防犯防災機器卸、ヒータ・センサ開発・製造・販売等
設立1968年5月
資本金9,500万円
年商122億円(2020年12月期)
従業員154名
 1968年現社長の父が電熱機器メーカーの販売代理店として創業。顧客ニーズを踏まえ、周辺機器等を共同開発でカスタマイズし納入する、実質ファブレスメーカーとして発展。大手電機メーカーと日本初の家庭用安全システムの開発・商品化に成功するなど、熱感知器や各種センサ等卸売を軸に、技術に精通した商社として業容を拡大。
 90年代「卸中抜き」の潮流が強まる中、97年従来から素地のあった「ものづくり」への参入を決断。センサ事業では自動車オイルや空調機器のドレン水等の液面検知センサ等を開発。近年はIoT分野へ注力し業容を拡大中。熱システム事業は半導体製造装置のウェハ加熱ステージや特殊ガス配管製造、配管用ヒータのカスタムメイドが軸となり医療、鉄道分野にも領域を拡大。 
 各種ヒータの中でも、約10年を費やし開発したセラミックヒータ「Hi-Watty」は素材配合から焼成迄を自社で行い、焼結・緻密化に独自性を持ち、5秒で600℃迄の高速昇温が可能で用途の拡大が見込まれる。
 近年、研究開発用ALD(原子層堆積)装置を開発。成膜ビジネスの取組や環境ビジネスに繋がる被膜開発等が進展中。
 卸、製造2つの事業分野で様々な業界のイノベーションに寄与する技術力に優れる会社として今後の更なる発展が期待できる。


優秀企業賞
能代運輸株式会社
代表者與語 忠道
所在地秋田県 能代市河戸川字北西山144-2
事業貨物自動車・港湾運送業、通関・倉庫業等
設立1950年6月
資本金5,000万円
年商49億円(2021年3月期)
従業員246名
 1950年能代市の木材業者等の地元資本で創業。地域の鉄道輸送を一手に担い活況を呈すも、運送手段の多様化が進行する中、業績が次第に低迷し、74年現社長の父が経営権を取得し、再生を開始。
 74年能代港開港で船舶代理店業に参入。79年通関業、87年倉庫業免許を取得し港頭倉庫を稼働。93年には能代火力発電所向け石炭荷役と石炭灰収集運搬を受託。港湾関連事業の参入が契機となり、運送事業との相乗効果により業績が回復軌道に乗る。
 2001年秋田営業所を開設。農産物検査法上の登録機関になり米穀検査業務に参入し低温倉庫も稼働。07年秋田船川港の一般港湾運送事業の許可取得し業容を拡大。
 16年能代港から中国へ秋田杉原木の輸出をアレンジ。同年に完成した秋田市のバイオマス発電所と長期契約を締結し、県北地区の未利用材を燃料用の木質チップに加工し納入するなど、SDGsにも貢献。
 規制緩和にビジネスチャンスを見出し、参入障壁が高い事業にも果敢にチャレンジ。主力の貨物自動車運送事業に港湾関連業務・倉庫・林業関連業務等の複合的サービスで発展。「人材育成・継続は力なり」の基本理念のもと、常に新たな物流サービス提供を目指しており、今後の更なる発展が期待できる。


桑名商事株式会社
代表者桑名 朗
所在地栃木県 真岡市寺内1493-1
事業金属表面処理(めっき)
設立1956年1月
資本金5,000万円
年商10億円(2020年10月期)
従業員74名
 1956年現社長の父が自動車部品等の表面化成処理で創業。技術の柱を無電解めっきに定め高精度・高付加価値を実現すべく研究開発に注力し発展するも、設備投資や受注減による損失で現社長就任時の97年には累積負債が売上の1.5倍と債務超過に陥る。
 苦境の中でも人と技術開発には投資を惜しまず、2000年技術管理部を設立。化学専攻の人材を採用し、めっき液の自社配合を本格化することで収益構造が大きく好転。
 ビーカーワーク・液中濃度分析装置、電子顕微鏡、膜厚測定器等の設備を有し、防錆や耐熱・摩耗、潤滑性、光学特性等の高付加価値機能性めっきを開発。手間のかかる「部分めっき」にも独自のマスキング工法で積極的に応じる姿勢や、特殊形状に均一にめっきを可能とする治具など繊細なニーズ対応が顧客からの高い信頼と評価に繋がり大幅な売上増を実現。
 大手からの受注シェアが高い業界にあって中小企業との取引が大宗を占め、自動車や半導体、医療、光学機器と幅広い産業に取引は約1700社に及ぶ。「夢をもって」働くために資格取得を奨励。多くのスペシャリストを有し、創造的な発想、困難に挑戦する勇気、豊富な知識と技術のもとに活力あふれる組織を創り、社会に貢献する人材の育成にも注力。技術力に優れるめっき会社として今後の更なる発展が期待できる。


布目電機株式会社
代表者正田 壽男
所在地愛知県 名古屋市中川区大当郎2-1107
事業変圧器製品の開発・製造・販売
設立1983年10月
資本金6,000万円
年商61億円(2021年8月期)
従業員268名
 1973年現会長が巻線事業を個人創業。翌年にトランスの製造を開始するも老舗企業の壁は厚く業容拡大に苦戦。
 市場で勝ち抜いていくには、他社との差別化が絶対条件と考え、経営理念「電気を安全に扱うための技術を共創します」にある徹底した「安全・安心の追求」に合致する挑戦として、94年日本初のEU電気安全規格「EN規格」を取得。
 グローバル化の進展で各国の規格遵守が必須となる中、当社への期待・信頼度は高まり、設計段階からの個別受注により業容拡大。国内大手メーカーの半導体製造装置等の機械装置を輸出する際のデファクトスタンダードにまで至っている。
 16年現社長が就任後、トランスをベースにシステム化した電源ユニットやトランスボックス等の高付加価製品の販売に注力し規模の拡大と共に利益率向上を実現。
 当社は国内随一の国内外15カテゴリーの安全規格認証を保有。多品種少量生産ながら国内トップクラスの生産規模を有し、600V以下低電圧産業用乾式変圧器で国内トップシェアを誇る。全ての変圧器をRoHS2指令適合とする等、環境面の配慮でも業界をリード。
 5Gの普及等による半導体需要増に対応のため、21年に愛西工場を新設するなど今後の更なる発展が期待できる。


岩瀬コスファ株式会社
代表者岩瀬 由典
所在地大阪府 大阪市中央区道修町1-7-11
事業化粧品原材料等の卸売
設立1948年7月
資本金1億円
年商271億円(2020年12月期)
従業員170名
 1931年現社長の祖父が化粧品原材料卸の個人商店創業。当時市場に流通していた変性アルコールの色や匂いに対する不満を解消した加工変性アルコールを販売し、化粧品メーカーから好評を得る。以来、「仕入れた商品をただ売るのではなく、手を加えて付加価値を高め、より良い商品を販売する」経営姿勢を継承している。
 2001年の化粧品原材料の輸入規制緩和と全成分表示義務化では、成分特性や機能性等の情報提供に重点を置いた営業と、技術側面からの提案等により化粧品メーカーから高い信用と評判を集める等、ここ10年で売上1.5倍と拡大中。
 現在では、特に強みのあるスキンケア向けをはじめ5000種類を超える化粧品原材料を取扱う。ほぼ全ての国内大手含め、世界4000社にのぼる化粧品メーカーの商品開発を支えており、国内化粧品原材料の卸部門ではトップシェア。
 また、海外現法7社、駐在事務所1拠点とグローバルネットワークを構築し、海外販売とともに、原材料調達の間口拡大も図っており、当社の強みとなっている。
 創業者の「三方よし」の精神を重んじ、自社の研究室や試作機器、評価機器を無料開放する等、業界全体の発展にも貢献中。
 化粧品業界になくてはならない企業として、「日本の岩瀬」から「世界のIWASE」へと躍進を続けており、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社サンコー
代表者角谷 太基
所在地和歌山県 海南市大野中715
事業総合生活用品の製造・販売
設立1967年4月
資本金9,500万円
年商35億円(2021年3月期)
従業員94名
 1962年日用品雑貨卸で個人創業。キッチンダスター(ふきん)や扇風機カバーがヒットし、その後も便座カバーや電話機カバー等、高度成長期の生活スタイルの変化に応じたアイディア商品を次々と世に出し成長の礎を築く。
 バブル崩壊後は日用品は中国製品が主流になると予測。当時の主力製品から撤退し、より付加価値の高い商品開発に取り組む。
 92年国内初の便座シート「おくだけベンザシート」を、93年に異形断面糸を使用した「びっくりフレッシュ」(キッチンクリーナー)を発売。特許取得した両商品とも様々な用途に展開し、ロングセラーとして当社の発展を支えている。
 商品開発アイディアの源泉は、ボイスカードと呼んでいるお客さまアンケート。毎日届くお客様の声を一枚一枚丁寧に目を通し、30年以上に亘り商品開発や新市場開拓に反映。シニアやペット、防災関連など事業領域拡大にも繋げている。また価格競争を避け、日本製・自社生産に拘った付加価値の高い商品を主に生協・通販ルートで販売することで、日用品ながら高収益のビジネスモデルを作り上げている。
 「人の心に貯金する」を経営理念に「不確実性の時代こそ人の心が大切」と様々なステークホルダーを大事にするとともに、お客様の声に徹底的に耳を傾け成長の原動力としており、今後の更なる発展が期待できる。


松浪硝子工業株式会社
代表者松浪 明
所在地大阪府 岸和田市八阪町2-1-10
事業顕微鏡用カバーガラス、スライドガラス等製造
設立1948年12月
資本金9,000万円
年商64億円(2021年12月期)
従業員290名
 1844年松浪家が薄玻璃製造で創業。西洋医学導入で顕微鏡が普及する中、1904年日本で初めて顕微鏡用カバーガラス、翌年スライドガラスの製造を始める。以降現在に至るまで日本の顕微鏡用ガラスのトップブランドとして成長。
 73年には、電子工業用ガラス分野にも進出。当初は苦戦するも、高精度基板ガラス、イメージセンサー用ガラス等次々に新製品を開発し、ライフサイエンス事業に次ぐコア事業に成長。
 顕微鏡用ガラスは国内シェア約7割。免疫組織化学検査用ガラスは、分子標的薬治療等に不可欠な製品として、国内外多くのユーザーが利用。また、スライドガラス印字プリンタや病理・細胞診検査業務支援システムなど、病理分野のニーズを捉えた製品を多く生み出している。
 工業用では、マイクロレンズアレイで立体ディスプレイ等、医療ではオープンイノベーションを通じ次世代製品の開発にも注力中。
 「一人のひらめきより3人の知恵。改善は無限」と人の大切さを軸とし、大学で学びたい社員に授業料を負担し、博士号取得する社員も輩出するなど人材育成に大きく力を入れている。
 顕微鏡用ガラスを通じ日本の科学研究を支えてきた177年の歴史ある企業であるとともに、弛まぬ技術革新に取り組むイノベーション企業として、伝統と革新のバランスの上で今後の更なる発展が期待できる。


株式会社タケウチ建設
代表者竹内 謹治
所在地広島県 三原市円一町4-2-14
事業特許工法による地盤改良、基礎工事施工・管理
設立1990年11月
資本金5,000万円
年商49億円(2021年6月期)
従業員94名
 1987年ティーアンドピィー設計事務所、90年に施工を担当する当社を設立。93年に量販店の新規出店のコンペに参加し、当社のTNF工法が採用され初施工。
 2011年「TNF工法協会」を設立し、代理店が当社工法を営業し、協力会社が施工する体制を構築。13年には関東営業所を開設。東日本エリアの案件にも対応し、本格的に全国展開開始。現在では、国内全ての都道府県にて施工実績があり、21年11月末現在の累計施工実績は1542件に到達。
 当社グループは、地盤調査に基づき地盤改良層、基礎の設計を行い、設計から施工まで一気通貫で対応できる体制を確立。16年にはベトナムに子会社を設立し、現地の優秀な人材を継続的に採用することで、日越連携による業務体制を構築。
 TNF工法は、浅層改良工法に属する工法。改良層の底部形状を井桁状に形成することで、建物荷重を分散し、安定性を確保すると共に不同沈下を抑制し、液状化にも強いのが特徴。安全かつ環境に優しい工法でローコストを実現できる工法。また、土嚢を滑らせ振動を吸収する「T-BAGS減震工法」等、様々な特許工法を保有。
 TNF工法の新たな進化に向けた研究開発により、社会的需要に応える工法を継続的に提供し、今後の更なる発展が期待できる。

※子会社:国内1社、ベトナム1社
※従業員数は2021年6月末現在(グループ全体)


濵田酒造株式会社
代表者濵田 雄一郎
所在地鹿児島県 いちき串木野市湊町4-1
事業酒類製造販売
設立1951年7月
資本金3,000万円
年商137億円(2021年6月期)
従業員303名
 1868年創業の老舗焼酎等酒造メーカー。70年代の第1次、80年代の第2次ブームで首都圏、関西方面への販路拡大に注力。更に麦焼酎などの開発にも力を注ぎ、94年に樽熟成本格焼酎「隠し蔵」は関西を中心にブランドを確立。
 2000年最新のオートメーション設備を有す新工場「傳蔵院蔵」稼働が契機となり、生産数量と品質が飛躍的に向上。01年当蔵初仕込み芋焼酎「海童」が誕生。第3次焼酎ブーム時の主商品として業績を牽引。
 また、創業からの伝統を受け継ぐ「伝兵衛蔵」の芋焼酎「薩州赤兎馬」はプレミアム焼酎として人気を博す。
 06年酒販免許制度の実質完全自由化と焼酎ブームが去り、業界全体が混沌とする中、焼酎の香りに着目。創業150周年にあたる18年に独自の熟成法で香気を高めた芋焼酎「だいやめ」を開発。市場規模が縮小する中、販売量を伸ばし、IWSC最高賞受賞など国内外での評価も高い。近年は独自性のある清酒・黒糖焼酎会社をグループ化するなど和酒総合メーカーとして躍進。
 地元の串木野金山跡地に05年「金山蔵」を開設。本格焼酎の歴史・文化や薩摩の精神文化を後世に語り継ぐ場所として地域と産業振興に寄与。「本格焼酎を真の國酒へ、更には世界に冠たる酒へ」を目標に世界を見据え、今後の更なる発展が期待できる。


特別賞
浅野撚糸株式会社
代表者浅野 雅己
所在地岐阜県 安八郡安八町中875-1
事業撚糸製造、タオルの企画・販売
設立1969年12月
資本金1,000万円
年商21億円(2020年10月期)
従業員42名
 1967年社長の父が撚糸業で創業。95年現社長が経営を承継し、業界初の複合撚糸機械を導入し一時活況を呈すも、2000年以降安価な輸入品の台頭で業績が悪化。03年苦渋の決断で従業員と創業来の協力工場を半数以下にするなど大幅に会社規模を縮小。
 再生をかけ「下請け脱却」「オンリーワン企業」への転身を掲げ、糸に空気の隙間を作る特許撚糸「スーパーZERO®」を開発。07年には柔らかくて吸水性、速乾性に優れた独自ブランドタオル「エアーかおる®」を商品化。
 経営危機から復活の歩みを紹介するTV番組で話題となり、TVショッピング等で躍進。直営店舗や古民家を再利用した休憩所を観光ルートに入れ、年間30万人を集客するなど「エアーかおる®」は累計1,300万枚超のロングセラー商品に成長。更に美容専用タオルの新ブランド「Perfec10®」も開発し、南青山に出店するなど販売チャネル強化も進む。
 福島県双葉町の28千平米の敷地に、23年工場と店舗「双葉スーパーゼロミル」を開設予定で震災復興にも大きく貢献。「世界的には繊維は成長産業」「日本の思考や文化も含めた製品力は世界に通用する」との信念の下、高い技術力で顧客ニーズに沿う撚糸開発と、国内外で認知度を高めている自社製品販売で、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社カワトT.P.C.
代表者川戸 俊彦
所在地山口県 岩国市玖珂町11600-51
事業住宅給水給湯プレハブ配管品企画・製作等
設立2002年7月
資本金9,000万円
年商49億円(2021年3月期)
従業員351名
 1989年現社長が水栓部品等の金属加工部品製造で創業。91年自社工場で予め組立てる給水給湯プレハブ配管システムを開発。当時は現場での職人による配管工事が一般的な中、キット化し事前に作っておく画期的なシステム(「カワトプレハブ配管システム」)として大手デベロッパやゼネコンが次々採用。現在では集合住宅向け販売シェア3割、年間6.5万戸の配管を手掛ける。
 同システムは、現場で必要であった高度な技術や技能、力仕事も不要であり、未経験者や短時間だけ働きたい女性、力の弱い高齢者でも高品質に製造でき、また建設現場での工事が不要のため人手不足の建設業界を支えている製品。
 なお当社の本社・工場がある岩国市界隈では、男性労働者の多くが沿岸部のコンビナートなどに働きに出るため確保が困難だったこともあり、創業当初より女性がものづくりの中心。現在、従業員の7割が女性で管理職比率も5割。女性が働き易い環境作りと少人数のチーム制によるフラットな職場作りに取り組んでいる。
 「企業は地元の雇用のためだけにある」が経営理念で、海外進出せず生産も地元が中心。受注の6割は関東であるが、キット組立てはほぼ地元工場で行い全国に発送するなど地域雇用に貢献度高い。24時間自動化の金属加工工場も稼働させるなど成長への投資も積極的で、今後の更なる発展が期待できる。


日本理化学工業株式会社
代表者大山 隆久
所在地神奈川県 川崎市高津区久地2-15-10
事業文具事務用品製造販売及びプラスチック部品成型加工
設立1937年2月
資本金2,000万円
年商8億円(2020年12月期)
従業員90名
 1937年創業来、一貫してチョークを製造し学校主体に販売。粉の飛散が少ない日本初の炭酸カルシウム製チョークを開発。国内約7割のシェアを有するトップブランドに成長。北海道で大量に廃棄されていたホタテの貝殻の再生利用に成功し、グリーン購入法適合商品に認定されている。
 60年養護学校からの依頼により生徒2名を実習生として受入れて以来、知的障がい者雇用を継続し今年で62年目。従業員の約7割63名が在籍。治具や色による判別で業務内容の理解を促 すなど様々な工夫で、働きやすい環境を作り、75年には障がい者雇用のモデル工場の認定を受ける。
 近年、授業のデジタル化等でチョークの需要減を見越し、窓ガラスに描いても簡単に消せる新しい文具「キットパス」を開発。海外有名美術館のショップで販売されるなど、事業の第2の柱として成長中。
 60年に開始した知的障がい者雇用は障がい者に「働く幸せ」を提供しており、社会福祉向上等における当社の貢献は極めて高い。経営理念「皆働社会の実現」と高い業績を両立する経営は類を見ず、現在のSDGsにつながる理念を創業時から持ち続け、今後も日本を代表するダイバーシティ企業の1社として、今後の更なる発展が期待できる。


株式会社ブルーム
代表者山﨑 信二
所在地佐賀県 唐津市浜玉町浜崎1901-457
事業海外化粧品の輸入代行及び品質管理業務、理化学試験の分析受託業務
設立1991年10月
資本金1億円
年商5億円(2020年9月期)
従業員48名
 1991年時計・ファッション品など輸入事業で創業。94年化粧品輸入販売業許可の取得以降は、同分野に特化。輸入化粧品の国内販売には必須の成分分析に軸足を移し、2004年薬事法に基づく民間初の厚労省指定試験検査機関の指定を獲得。業容拡大の足掛かりを築く。
 当社のレギュレーション分析は薬事法「化粧品基準」で規制されている成分を中心に約80成分を一斉分析し、公定法分析とほぼ同水準の精度で低価格でありながら、約一週間の納期を実現する価値の高いサービス。
 化粧品など成分分析試験・輸入代行・通関・品質管理・法定表示ラベル作成貼付け・配送までのトータルシステムを確立。他に類を見ない一貫サービスで業容を拡大。
 2019年世界最大の認証・試験機関スイスSGSと業務提携。20年には国内医薬品業界で初めて成分分析・測定の国際規格「ISO 17025」を取得。国内と相手国双方の基準を満たす成分分析を当社のみで完結することが可能となり、輸出入の大幅な期間短縮で商機を掴む計画。
 また「唐津コスメティック構想」の中核企業となり、唐津市、玄海町中心に佐賀県と九州北部を美容・健康産業の集積地とし、地域の花や野菜等の規格外品を化粧品原料とする6次産業化にも取組むなど、地域振興への貢献度も高い。今後の更なる発展が期待できる。


株式会社山本金属製作所
代表者山本 憲吾
所在地大阪府 大阪市平野区背戸口2-4-7
事業精密加工事業、加工ソリューション事業
設立1989年1月
資本金8,000万円
年商58億円(2021年5月期 グループ全体)
従業員260名
 1965年自転車部品の切削加工で創業。弱電・家電部品と取扱いを拡大するも量産品の下請けに留まり、特筆すべき技術なく経営は不安定。
 2009年現社長就任。主力の自転車部品を縮小し、付加価値の高い試作部品製造と「計測評価技術」の製品化に舵を切り、4連式回転曲げ疲労試験機を開発、第2の創業の端緒となる。
 以降、12年に岡山研究開発センターを開設し、技術開発と人材育成に注力。また、15年にはセンサーを内蔵した切削加工モニタリングデバイスを開発し、現在では「精密加工技術」と「計測評価技術」の2つのコア技術を融合したソリューションビジネスを展開し業績拡大している。
 主力製品の加工モニタリングデバイス「MULTIINTELLIGENCE®」は切削加工に用いる工具ホルダーに複数のセンサーを内蔵し、温度・加速度・振動等の測定値をリアルタイムに無線送信。熟練工の勘と経験に頼っていた作業をデータ化し技能伝承への貢献度は極めて高い。
 また博士号取得希望者には会社が全額費用負担し、これまで6名が博士号を取得。
 DXを目指す製造現場とITベンダーを繋ぐ「製造業とIT企業の通訳者」として、製造業のイノベーション創出に大きく貢献。積極的な事業展開、人材育成への取組み、明確な将来戦略により、今後の更なる発展が期待できる。

※従業員数はグループ全体


新技術事業化推進賞
株式会社バイオクロマト
代表者木下 一真
所在地神奈川県 藤沢市本町1-12-19
事業理化学及び分析機器の設計・製造・販売等
設立1987年2月
資本金2,000万円
年商5億円(2021年7月期)
従業員17名
 1983年現社長の父が半導体装置部品と研究室向け商材卸売で創業。独自性を模索する中、取引先研究者のアイデアを製品化することで協力を仰ぎ、新商品を開発し発展。
 受賞対象の新技術・製品「コンビニ・エバポ」は、08年製薬会社の製薬研究員と濃縮装置の試作機製作を端緒に、価格設定やサイズ感等に試行錯誤。16年加温機能と不活性ガス環境を付加した初代コンビニ・エバポが完成。
 特殊なスリットの濃縮栓を用い、突沸リスクや高沸点溶媒等の課題を改善。様々な形状の容器に対応し、操作性に優れるコンパクト形状で、有機合成等の化学系分野の微量・少量サンプル濃縮に利用される。研究者が卓上で簡単便利に操作する2台目の濃縮装置という新市場形成に繋がっている。
 温調ブロック径の拡張や複数検体対応など改良を加えシリーズ化。大学など研究施設に世界20カ国へ輸出し、累計販売台数は1600台に及ぶ。国内外の科学論文や最も歴史のある科学雑誌「Science」にも取り上げられるなど知名度も向上し、事業の柱の一つに成長。
 また、他の技術・製品開発においても企業や大学、研究機関など様々な開発パートナーが多く存在。新たなシーズを事業化する素地を有し、知財ビジネス主体のニッチ企業として、国内外へ向けて、今後の更なる発展が期待できる。



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