公益社団法人 中小企業研究センターThe Medium and Small Business Reserch Institute
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調査研究レポート
中小企業の産学連携の実態
〜地域一体型の「面的」な産学連携の取組


1. 調査の背景・目的
 当センターでは、2006年3月に「中小企業の産学連携とその課題」と題した調査研究報告書を公表した。同報告書で示したように、中小企業にとって産学連携の意義は大きいが、中小企業における産学連携の動向を見ると、さほど拡大していない。
 その一方で、近年では、中小企業における産学連携の取組に変化がみられるようになってきている。従来は、仲介機関が大学と企業を一対一でつなぐ「線的」な連携が多く見られたが、最近では、地域が一体となって産学連携を推進する「面的」な取組のなかで具体的な成果を上げている事例が出ている。
 このような状況を踏まえ、本調査研究は、「地域」に着目し、地域が一体となって産学連携に取組み成果を上げている事例につき、地域における取組実態の詳細を明らかにし、成功のポイント・課題を探ることを目的として実施した。
2. 調査方法
(1)文献・資料調査
  既存の統計や分析を利用して、中小企業の産学連携の状況を概観した。
(2)インタビュー調査
  地域で産学連携に取り組んでいる4地域に対してインタビューを実施した。
3. 調査結果
(1)日本の産学連携の状況と先行研究
  各種統計や分析資料より、日本の産学連携の状況について、歴史、国際比較、中小企業の意識の観点から整理し、当センターの過去の報告書における議論の整理を行った。

@日本の産学連携の状況
a)日本の産学連携の歴史
 戦前は、大学教員の起業や兼業は自由であり、大学の研究を実用化するために新たな企業が盛んに設立され、大学と企業の共同研究も行われた。戦前の連携は、あくまで教員と企業の研究室を基礎とした、私的なネットワークで結びついた関係であったが、産学連携により、様々な企業や商品が生み出されていた。
 終戦後は、制度面での制約等を背景に、大学と企業の交流が表立って行われることはほとんどなく、中小企業も技術指導を受ける程度にとどまっていた。1970年に受託研究制度が創設されたが、産学連携は低調であった。
 1980年代になると研究費の不足から、大学は民間の資金を積極的に導入する方針に転換した。共同研究制度が開始されたなど、産学連携のシステムが構築されていった。この時期、大企業は大学との共同研究件数を大幅に伸ばし、中小企業の割合も80年代後半に増加した。
 90年代後半には、産学連携への低利融資や税制の優遇制度や産学連携に関する法整備が進んだ。大企業の産学連携の件数は受託研究を中心に大幅に伸びた。中小企業も共同研究の件数が増加したものの、全体に対する割合は25%程度であった。
 2000年代前半は大学側の体制整備が進み、2006年以降になると、成果をあげることに政策の焦点が絞られた。しかし、2006年以降も、共同研究総件数に対する中小企業の割合は30%以下にとどまるなど、中小企業の産学連携は満足に進んでいない。

b)海外の中小企業の産学連携の状況
 産学連携を行う中小企業の比率を国際的に比較すると、フィンランドが最も高く、オーストラリア、日本が最も低い。国際的にみても、日本は中小企業の産学連携が進んでない。
 産学連携を行う中小企業の比率が高い国の中で、特徴的な動きとして、ドイツのシュタインバイス技術取引会社(以下、シュタインバイス)の取組に注目した。シュタインバイスは、中小企業に大学や公的機関の持つ技術・ノウハウや人的資源を提供し、特定のプロジェクトを担って問題解決する組織である。シーズを集めるのではなく、大学教授や研究者、エンジニアといった専門家を集め、専門家のネットワークによる運営を行っている。「顧客メリットの追求」を理念として掲げてニーズ起点の産学連携を行っていることや、公的資金ではなく、サービス提供による収入に基づいて運営されていることが特徴である。

c)中小企業の産学連携への意向
 東京商工会議所「中堅・中小製造業における産学連携の取組状況に関するアンケート調査結果」によると、産学連携の経験の有無に関わらず全体の半数以上の中小企業が産学連携に興味を持っているといえる。
(2)地域における産学連携への取組状況
  地域一体となって産学連携に取り組んでいる4地域23企業・団体に対して現地インタビュー調査を実施し、取組状況を把握した(付表1)。
TAMA地域 1 では、産業の空洞化の進行の抑止と製造業の建て直しを主な目的として1998年に発足した首都圏産業活性化協会を中心として、国道16号線沿線(東京、埼玉、神奈川)における中小企業や大学、自治体や金融機関のネットワークが形成されている。「顔の見えるネットワーク」を実現するため、1時間程度で会える範囲を地域として設定している。首都圏産業活性化協会は、「産学連携支援・研究開発支援」を活動の中心に据え、「販路開拓・海外展開」「人材確保・育成」の3本柱について重点的に事業を行っているほか、中小企業と大学の教授の交流会開催、ワーキングループの組成や補助金獲得のための計画書作成のサポート等を行っている。
 岩手地域は、有志の自発的なネットワークによる産学連携のプラットフォームが県レベルで形成されている。その代表的な存在である岩手ネットワークシステム(以下、INS)は、工学分野からスタートした産学連携のプラットフォームであり、個人会員を中心に現在1,000名を超える会員がいる。テーマごとに40以上の研究会が立ち上がっており、産学連携の母体となっている。県内では、INSのほか、産学連携に関する複数の組織が活動を行っているが、INS会員としてのネットワークで、人ベースでつながっていることが少なくない。
 米沢地域は、米沢ビジネスネットワークオフィス(以下、米沢BNO)を中心として地域的なネットワークを形成している。米沢BNOは、2004年に産業空洞化による地域の衰退に危機感を共有した産学官医労金2 の関係者が発足させた組織である(医はのちに脱退)。2週間に1回朝食会形式で会議を行って会員同士の情報共有を促進しているほか、米沢工業高校への専攻科の設置や、独自のはんだ付け技術認定制度の運営、山形大学工学部の学生と地域の中小企業の社長との交流事業等を行っている。米沢BNOにマッチングを行う役割はない。
 山口(宇部)地域は、C-UBEサロンを中心としてネットワークが形成されている。現在の会員数は、産48社、学12機関、官17機関の計77機関である。会員の大半は、宇部市内に拠点を持っているが、下関市や山口市の企業も参加している。主な活動は、2か月に1回開催する会合である。C-UBEサロン独自でコーディネーターを持つことはなく、山口大学や宇部工業高等専門学校、西京銀行のコーディネーターが地域で活動している。
1 TAMAは、行政区分等を基に調査対象地域を記述すると、「東京多摩地区を中心とする国道16号線沿線地域」となるが、当地域では、1時間程度で会える範囲を地域として設定している。そこで、本調査研究では、この意味を込めて、TAMA産業活性化協会を中心として産学連携が行われている地域を「TAMA地域」と呼ぶ。
2 産=金融機関を除く民間企業、学=大学・高専等、官=地方自治体等、医=医療機関、金=金融機関、労=労働団体 を示す。
(3)中小企業の産学連携の拡大に向けて

@事例にみられる問題点の解決策
 2006年に実施した調査研究では、中小企業が産学連携に取り組む上での問題点を指摘した。今回の調査研究では、それらの問題点について、地域で取り組むことにより解決しようとする事例がみられた(付表2)。
 産学連携の問題点と地域で取り組むことによる解決策の例を整理すると以下のとおりである。

a)技術自体の性格に由来する問題
 市場ニーズにつながりやすい技術であるかという点に加え、研究自体の学問的画期性や先進性が高いほど、研究から応用と実用化までの過程多大となることが問題である。事例では、まずは「地域で「『評価・分析』から産学連携を行い、応用と実用化までの過程を圧縮」すること、テーマを地域と共有し、地域の経営資源を集中的に投入できる体制を構築することで、応用と実用化までの過程をサポートすることが取組まれていた。

b)中小企業の新技術開発・事業化に関する問題
1)実用化と用途の開発
 ニーズに即した製品やサービスに結実させなければ、事業化が容易に進まないという問題である。調査対象地域では、「ニーズに基づくテーマを共有することで、ニーズ起点としての産学連携を地域で創出する」という動きが見られた。また、「地域内の濃密な協力関係によりフィードバックの連鎖のモデルを構築」して、いつでも実用化や用途開発に関する課題を検討できるようにしていた。さらには、「中核企業が率先して市場ニーズをくみ取る仕組みを確立」することで、産学連携をサポートするという取組が見られた。

2)売れる仕組みの確立
 「売れる仕組みの確立」は、端的にいえば販路の確保・拡大という問題である。これについては、各地で取組がみられていたものの、依然として苦労している様子が見られた。その中でも、市が新製品をモデル的に発注する制度を作って、「仕組みとして販路開拓支援を行う」という取組があった。また、「地域とビジネスの両方をよく理解した人物が販路開拓指導」を行うことにより、個別企業の実態や地域性に即した指導を可能として、より効果的な販路開拓支援につなげている様子も見られた。
c)中小企業と大学等との連携に伴う問題
1)情報不足(連携に関する情報全般の不足)
 中小企業は、研究者や研究課題の情報、誰に相談すべきか、その手続き・手順、補助金獲得手続き等に関する情報が不足しているという問題である。「地域の濃密なネットワーク、距離的近さによって情報の速度、密度を上げる」、「連携にとって『意味のある地域設定』を行うことで、連携先を確保し、ニーズ・シーズ情報の充実に努める」、「地域で取り組むことで、地域に情報が集約され、さらに整理・発信されて情報が必要な主体に行き届かせる」、「コーディネーターによる情報不足の解消」の四つの取組が見られた。「地域」については、企業や大学の連携のバリエーションを広げるため、行政区分を超えた地域を設定していた。

2)利害の不一致や不確定性
 経営成果を生み出すことが目的の企業と、研究者としての業績・声望を目指す大学の研究者の立場の違いに起因する利害の不一致や、タイムスパンの違いによる不確定性の問題である。地域では、「地理的な近さに基づくコミュニケーションを土台とした信頼関係の構築」、「コーディネーター支援による利害のすり合わせや不確定性の除去の取組」、「テーマ・方向性を共有することで、事前に利害のすり合わせを実現」するという三つの取組が見られた。

3)ルールや契約、知財の扱い
 実態に即し、産学連携を阻害しないルールや原則の明確化が必要となっているという問題である。コーディネーターが中小企業と大学の間の契約をオーダーメイドで作成していたり、お互いが納得できる内容に整えたりする取組が見られ、「コーディネーターの支援が重要」な役割を担っている。

4)必要な資金の調達
 中小企業には資金制約があり、自己資金で全てを負担することには限界があるため、調達方法が問題となる。地域では、解決されているとまでは言えないものの、「補助金獲得の手続き等を地域でサポート」することで資金調達支援を行っていたほか、「金融機関による地域ファンド組成等による資金調達の円滑化」といった取組も見られた。

5)連携事業の運営(と企業の主体性・コントロールの必要)
 連携事業の運営に関する問題である。「コミュニケーションの促進による個人的関係が強化に基づいた双方のコミットメントの深化」、「交流会や補助金申請書作成作業を通じた中小企業の主体性の醸成」、「コーディネーターによる運営上の問題のサポート」という三つの解決に資する取組が見られた。

d)中小企業の経営と行動、ガバナンスに伴う問題
1)経営資源制約と既存部門との摩擦・抵抗
 制約のある経営資源の転用において、適切な対処を欠くと既存部門からの不満で企業の存在基盤を揺るがしかねない事態となる恐れがあるという問題である。地域では、コーディネーターによる申請書作成支援を通じて、内容を明確化することで、「社内における産学連携の位置づけの明確化」が図られていた。また、地域において産学連携組織、ネットワーク組織の存在が認知されていることが、社内の説得材料となっている面もあるようである。

2)専門人材の調達
 中小企業には、連携において研究開発を担っていくための人材が不足しているという問題である。地域では、「地域の学生やポスドクの活用」、「現場人材の教育・定着策による専門人材の調達」の二つの取組が見られた。

3)研究開発マネジメントの追求
 産学連携を含めた「研究開発マネジメント」の考え方とそれに即した投資計画や事業見通しを持つことができるかという問題点である。TAMA地域では、産学連携を行った企業による講演会等を実施し、成功体験を共有しながら中小企業に「産学連携を主導していく」という意識を醸成していた。

e)まとめ
 調査対象地域では、産学連携の各問題点を克服しようとする取組があったが、問題の領域ごとに取組度合いに差が見られた。例えば、「中小企業と大学等との連携に伴う問題」については、地域でネットワークを構築するなどといった取組が見られた一方、「中小企業の新技術開発と事業化に伴う問題」、「中小企業の経営と行動、ガバナンスに伴う問題」については、有効とみられる対策が各地域でとられているものの、依然として困難が残っている状況もあった。
A地域で産学連携に取り組む上でのポイント・課題
 中小企業と大学等との間の問題を中心に、地域で一体となって産学連携を行うことで多くの問題が克服できていることが分かった。一方で、課題も見えてきた。
a)地域で産学連携に取り組む上でのポイント
1)地域での意識の共有、目的の共有
 地域では、共有化した意識、目的の中から産学連携が生まれていた。「地域ごとに目標を定めて方向性を統一することが必要」という指摘もあり、地域で意識や目的を共有化することが地域で産学連携に取り組むポイントであると考えられる。

2)地域の設定
 地域での密なコミュニケーションや情報交換、企業や大学が語りたがらない「内なる事情」(米沢地域)と呼ばれる真のニーズやシーズのコーディネーターによる把握等、地域で産学連携を進めるためには主体同士の密なる接触(関係性)が重要である。これを実現するためには、意図を持って適切な地域範囲を設定することが重要であるといえる。コーディネーターの活動を中心とした地域では「1時間以内に会える距離」であり、個人ベースのコミュニケーションが基盤となっている地域では、県レベルと比較的広い地域の設定がなされていた。

3)核となる人材・組織の熱意・連続性
 事例では、熱意ある担当者や組織が変わらず関与し続けることが重要との指摘がある。これは、地域においても産学連携に関する知見・ノウハウの蓄積が重要であることを示している。特に米沢地域では、事務局をはじめとした立ち上げからのコアメンバーがいることが、表面的でない、一歩踏み込んだ議論を可能にするカギであるとの指摘があった。

4)「産」を理解するコーディネート人材の確保と活用
 中小企業は、ともすると大学との接し方がわからない、プロジェクトのマネジメントがうまくできないというような問題に直面する可能性も少なくない。そこで、産業界出身のコーディネーターがいることによって、連携内容の調整やスケジュール管理といった面で中小企業のサポートが期待できるほか、中小企業の思いの代弁者としての活躍も期待できる。

b)地域で産学連携に取り組む上での課題
1)助成金以外の資金調達スキームの検討
 事例をみると、一般的な中小企業にとっては、公的資金の獲得が産学連携の必要条件ともいえる状況であるとみられるが、資金調達の方策が公的資金に限られるような状況は、産学連携を促進する上で問題であろう。地域(産・学・官)からは、地域金融機関に期待する声が大きく、地域金融機関が産学連携でどのようなサポートができるのか、今後の課題である。

2)販路開拓・事業化へのコミットメント
 「販路開拓・事業化」については、企業の共通課題であり、地域でも苦労している様子が見られた。また、大学側と企業側の姿勢の相違も鮮明であり、大学では「そもそも販売は企業の本来業務」という見方を示すところもあった。販路開拓を産学連携の事業の範疇外とする考え方もあるが、産学連携のために販路開拓支援も行っている地域があることを考えると、産学連携の枠組みの中での販路開拓支援の在り方について検討の余地がある。

3)中核人材の高年齢化、マンネリ化(議論内容の固定化)の回避
 地域によっては、中核人材の高齢化や議論内容が固定化してきているという指摘があり、ともすればマンネリ化のような状況に陥りかけている様子が見られた。中核人材の高齢化については、設立時の熱意を損なわずに、どのように世代交代を行っていくか、今後の検討課題であろう。議論内容の固定化については、他の地域との交流会を頻繁に行うなどして、新たな視点を組織に取り入れるといったことも有効な解決策となると考えられる。
B中小企業の産学連携のポイント・課題と提言
a)中小企業の産学連携のポイント
1)産学連携の「実」の追求
 事例をみると、中小企業は大学からの求めに応じて産学連携に参加するものの、試作品を作っただけで終わってしまうことも少なくないといった指摘や、大学の先生は論文発表が主目的で、製品化には特段興味がないといった指摘がある。目的を見定めて「実」を追求する姿勢が重要であり、そのための取組の一つとしては、例えばプロジェクトマネジメントを企業自らが行うことも有効であろう。

2)企業の能力に応じた産学連携
 事例では、企業のレベルに応じた産学連携の必要性を指摘するコメントがあった。理解が不足する中で製品化を行っても、結局は市場の競争に勝てない製品ができてしまうためである。自社で学びながら産学連携を進めている企業もあり、自社で学びながら進める体制があるか、連携先のもとで学べる人材がいるかという二点を企業能力と捉え、自社の能力を見極め、能力に応じた産学連携を構築することが求められる。

3)仲介機関の活用
 中小企業は資源制約があるため、事務負担軽減や販路開拓といった用途で仲介機関をうまく活用することが、より確実に産学連携の果実を手にするために必要と考えられる。

4)ニーズに裏打ちされた産学連携
 本調査研究では、産学連携によって生み出された製品が、市場のニーズに合わなかったため売れずに苦労した事例が見られ、事業化による市場からの収益を得るには市場のニーズを考え抜くことが重要である。

b)中小企業の産学連携の課題と提言
1)仲介機関のあり方
 前項で指摘したように、中小企業の産学連携においては仲介機関の存在が極めて重要であるが、その活動内容や貢献ぶりは地域によっても差があるのが実情である。活性化に向け、仲介機関には「プロデューサー機能の強化」、「プロジェクトマネジメントへの関与」、「各方面からの人材の活用」の三点が求められる。

2)産学連携の効果の検証方法の再考
 今日、産学連携の効果としての評価対象は、共同研究や受託研究の件数、金額等であり、それ以外の取組を評価する仕組みがない。「産学連携は共同研究や受託研究というイメージが中小企業にあるために産学連携が進まない」という指摘があり、そのイメージを崩す必要がある。例えば、製品の評価や分析を研究機関が専門的立場から実施することも産学連携の一つであり、これらを産学連携の効果として評価の対象に含めていくことが考えられる。

3)地域金融機関の積極的貢献
 中小企業の産学連携における地域金融機関の役割は大きく、産学連携において果たすべき、あるいは期待される役割は、「資金支援」、「情報仲介」、「人材供給」の三つに集約される。
 「資金支援」については、産学連携の事業を丁寧に見極め、有望な事業には積極的な資金支援を行うなどの取組が求められる。「情報仲介」については、金融機関にとって本来得意な業務であり、より一層のコミットメントが求められる。「人材供給」は、仲介機関の事務局等に人材を提供し、地域の産学連携促進を担うというものである。

4)地域の産学連携の限界を超える取組
 地域において濃密なネットワークを構築し、方向性を共有することで産学連携が進むことが明らかになったが、近隣の研究機関が自社に関連した研究を行っていないケースや、地域の方向性と異なる連携が必要となる場合もある。また、議論の固定化、マンネリ化という問題もみられた。地域の産学連携には、地域限定であるがゆえの限界も存在する。そのような課題を解決・打破するための方向性として、地域間のネットワークとしての「メタネットワーク」の構築と、別の地域活性化政策等とのコラボレーションを図るなどの「新たな視点を導入」することが有効であろう。こうした地域での産学連携の限界を超える取組は、地域の産学連携の一層の推進という点で有効であるだけでなく、産学連携そのものを活性化する方策でもある。
以上
 
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